2019年5月号 <CS戦略>

鈴木 豪 氏

鈴木 豪 氏

<コーナー解説>
カスタマーサービスに注力し、コールセンターやWebサイト、アプリなどを有効活用し成長している企業のキーマンに戦略を聞きます。

イデア・レコード

飲食店の“カスタマーサクセス”を支援

企業プロフィール

設立:2012年4月
所在地:東京都新宿区西新宿7-8-10オークラヤビル6階
代表者:柏田康雄
事業内容:飲食店向け予約コールセンター「よやくるー」を運営する他、予約管理システム「トットくん」などを開発・提供

 人手不足に悩むのはコールセンターばかりではない。外食産業では、人手不足が原因で閉店に追い込まれているケースもあり、かなり深刻だ。

 イデア・レコードは、飲食店向けに予約業務を管理するソリューション提供と運営受託サービスを展開している。具体的には、飲食店向け予約コールセンター「よやくるー」で予約を受け付け、予約管理システム「トットくん」に登録。登録内容は店舗と共有、リアルタイムに予約状況を確認できるため、店舗側でも予約を受け付けることが可能だ。

 飲食店の予約受付業務のみを切り出した受託事業は、「接客に忙しく、電話に対応する余裕がない」という店舗と、「飲食店に関する仕事をしたいが、ネイルなど服飾規制があることがネックになっている」という従業員をマッチングさせた新たなビジネスモデルともいえる。

 クライアント企業は、チェーン展開する居酒屋から高級レストランまで幅広い。店舗の雰囲気によって顧客の期待値は異なるため、クライアントごとにコールセンターのSLAも異なる。このため、受託する前に「どのような接客を目指しているのか」「どのような顧客を増やしたいのか」という店舗側の戦略を細かく聞き、オペレーションに反映している。センターは東京と福岡の2拠点で、合計約60席が稼働する。年末にコールが集中するため、繁忙期と閑散期とでオペレータ数を調整しフレキシブルな態勢を整えている。

 コールセンターでは、顧客やクライアント企業に積極的な提案を行い、クライアントの売上向上を図る、いわゆる“カスタマーサクセス”を実践している。

 例えば、飲食店勤務の経験があるオペレータが、その経験を活かし、2カ月以上前に受け付けた予約は人数変更の可能性が高いため、直前に電話をかけて確認するといった工夫を実践。また、VOCやコールの傾向から売上向上につながる新たなコースプランなどをクライアント企業に提案することもある。取締役の鈴木 豪氏は、「飲食店の状況と顧客のニーズの両方に詳しいスタッフならではの提案力。お客様に対しても、このお店でこの用途であればこのメニューがおすすめです、といったトークもできています」と強調する。

 基本的に予約を受け付けることを主業務とするコールセンターだが、当日来店する顧客から「場所が分からない」という電話や、後日「忘れ物をしたかもしれない」という問い合わせも少なくない。こうした問い合わせにもスムーズに対応できるよう、予約管理システムは地図アプリを連携し、忘れもの管理機能なども実装している。これらの機能は、コールセンターのオペレータの声を元に開発。クラウドサービスであることから、キメ細やかな機能改善を常に行っている。

 飲食店の売上向上を“ITと人”の両面で支援する、カスタマーサクセス実践の好事例だといえる。

2024年01月31日 18時11分 公開

2019年04月20日 00時00分 更新

その他の新着記事

  • スーパーバナー(リンク1) (241223画像差し替え)

●コールセンター用語集(マネジメント編)

●コールセンター用語集(ITソリューション編)

 

記事検索 

  • CS MEDIA2024秋(自社広告)

購読のご案内

月刊コールセンタージャパン

定期購読お申込み バックナンバー購入