生成AI、オペレータ正社員化、在宅制度── 実態調査に見る国内コールセンターの現状と課題

2026年1月号 <特集>

特集

生成AI、オペレータ正社員化、
在宅制度──
実態調査に見る
国内コールセンターの
現状と課題

Part.1 <全体傾向と運営課題>

焦点は「CX」から「生産性」へ──
足元の課題に対処するための“生成AI”

2025年も200社以上から回答を得た「コールセンター実態調査」。今回は、昨年までとの変化値も大きく、改めて採用難・人手不足の深刻さと、「それに対処するための生成AI活用」にまい進する現場の姿が浮き彫りとなった。運営課題の優先度順位は、カスタマーエクスペリエンス向上から完全に「生産性向上」にシフトしており、生成AIもその実現のための手段と捉えられている。IT人材とマネジメントの両面からデータを分析する。

 2025年7月、国内コールセンター運営企業を対象に実施した「コールセンター実態調査」。今回もセンターマネジメントが直面する現状が浮き彫りとなった。データから読み取れる主な特徴は図1の通り。

図1 「コールセンター実態調査」に見る主なトレンド
図1 「コールセンター実態調査」に見る主なトレンド

 運営課題の焦点は、「カスタマーエクスペリエンス(CX)」から「生産性/効率性向上」へと完全にシフトしている。この背景は、深刻化する採用難と人手不足の加速がある。応答率は3年連続で低下し、2025年の平均は87.8%となっている(図2)。

図2 回答企業の応答率年次推移
図2 回答企業の応答率年次推移

 喫緊の課題に対処するため、生成AIの導入は加速、「顧客対応の要約」での活用が広がっている。一方で顧客とのコミュニケーション活性化など、CX向上を見据えた活用はまだ少数派であり、ITベンダーやSIにとって、提案の拡張性があるといえる。

 人材面ではオペレータの「正社員化」が加速する一方、一般的に採用面のメリットが大きいとされる在宅勤務制度の利用度は後退している。

Part.2 <テクノロジーの導入と課題>

生成AI活用の目的と期待効果は
『要約』による「生産性向上」「効率化」

生成AI活用事例が多数登場した2025年のコールセンター向けIT市場。その多くは「顧客との応対記録の要約」で、ACW(後処理業務)の大幅削減による生産性向上という“わかりやすい効果“がもたらされつつある。一方、チャットボットについては、依然としてシナリオ型が主流で、生成AIの普及速度は早まってはいない。AIエージェント元年と予測される2026年に向けて、回答結果からITソリューションにおける課題を読み解く。

 生成AI活用事例が多数登場した2025年のコールセンター。その用途の多くは「顧客との応対記録の要約」で、ACW(後処理業務)の大幅削減による生産性向上という“わかりやすい効果”がもたらされつつある。一方、チャットボットについては、依然としてシナリオ型が主流で、生成AIの普及速度は速まってはいない。

 生成AIのコールセンターでの活用については、回答企業の63%が何らかの形で導入・利用している(図3)。その理由は、「人手不足対策のため顧客対応を自動化、あるいはオペレータの生産性向上を図る」が圧倒的多数を占めた。導入課題に対しては、依然として「ハルシネーション」への強い懸念と不安が見られ、これがチャットボットなどのコミュニケーションでの活用を躊躇する大きな理由と考えられる。今後もこの傾向は継続し、「要約」中心の活用がさらに普及しそうだ。

 話題のAIエージェントについては、生成AIとの明確な違いまで理解している回答企業はやはり少ない。今後は確実に普及が期待されるが、最大の特徴である「自律的な稼働」をもたらすには、複数のIT基盤やアプリケーションの連携が必要で、これをシステム面の課題と捉えている回答企業が圧倒的に多数を占めることも明らかとなった。今後のITベンダー、SI、コンサルティングファームなどの提案能力が問われる課題ともいえそうだ。

図3 生成AIのコールセンターでの活用について(n=198)
図3 生成AIのコールセンターでの活用について(n=198)

Part.3 <人材と運用の現状>

従来型リソースマネジメントの限界?!
急速に進む「オペレータの正社員化」

コールセンターにはかつて「オペレータ3年定年説」という都市伝説的な風評があったほど、有期契約社員の職場というイメージが強い。しかし、もはやそれは過去の話になりつつある。今年の実態調査では「オペレータとして正社員を採用している」という回答企業が過半数を占めた。人手不足対策として有効であることは、離職率の比較でも明らかだ。今後、この傾向は強まると推察される。

 依然として深刻さを増す採用難と人手不足。各社、さまざまな工夫や施策を凝らしているが、ここ数年、大きく加速しているのが「オペレータの正社員採用」だ。

 オペレータの雇用属性を聞いた結果では、「正社員」という回答が最も多い。とくに地方センターでその傾向が顕著で、新卒採用も活発だ。

 正社員/有期契約社員では離職率に大きな差があることも明らかとなった。今後、AI化が加速することが確実なコールセンターにおいて、有人対応はより難易度も重要度も高い案件が集中すると予想されている。正社員の起用はこのトレンドを受けても加速すると推察できる。

 一方で、同じく採用に大きなメリットをもたらすとされる「在宅センター」は、運用している回答企業こそ過半数となっているものの、その実態は「制度や仕組みはBCP対策として残しつつ、実際の運用は拠点」という傾向が強い。

 採用難に大きな効果があると推察される「ロケーションフリーの採用やトレーニング」は、実施している回答企業はごく少数にとどまっている。

図4 オペレータの雇用形態(複数回答あり)
図4 オペレータの雇用形態(複数回答あり)

※今後、編集部では「コールセンタージャパン・ドットコム」上で実態調査のより詳細な解説記事を展開予定

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2025年12月20日 00時00分 公開

2025年12月20日 00時00分 更新

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