SBIいきいき少額短期保険、「AIエージェント型ボイスボット」を導入

完結率70%超、コールバック63%削減を実現

SBIいきいき少額短期保険(東京都港区、採田祐治代表取締役社長)は、電話問い合わせ窓口に生成AIを活用した「AIエージェント型ボイスボット」を導入した。モビルスが開発した同機能は、顧客の話し方や状況に応じて柔軟に対応し、曖昧な依頼でも意図を深掘りして必要情報を聞き出す機能を提供する。とくに話速がゆっくりで言葉に詰まる傾向のあるシニア世代を中心とする利用者に寄り添った自然な対話を実現し、利便性と満足度の向上を図るとともに、コンタクトセンター業務の効率化に大きく寄与する。

同社センターに問い合わせしてくる主な顧客層はやはりシニア世代で、「自然な対話が可能なボイスボットの導入は非常に意義深い取り組み」と評価。同社とモビルスは2025年6月、1カ月間のPoCを実施した。結果として、(1)ボイスボットのみでの受付完結率:70%超、(2)オペレータへのコールバック率:60%以上の削減のほか、修正作業の半減、後処理工数の削減といった顕著な効果を確認。証券番号など正確性が求められる聞き取りにおいても高精度を実現し、正式導入に至った。

SBIいきいき少額短期保険は、今後、LINEを含むマルチチャネル対応を拡大し、生成AIを活用した顧客応対の高度化を推進する方針だ。

なお、モビルスによるAIエージェント型ボイスボットの開発は、深刻な人手不足に直面するコンタクトセンター業界の課題と、シニア世代を中心とした利用者のデジタル格差への対応を両立することを目的に進められた。従来のシナリオ型ボイスボットでは、柔軟な応対が難しく、結果的に顧客満足度の低下や業務コスト増になる事例もあった。

従来のボイスボットとの違い
従来のボイスボットとの違い

モビルスは生成AIを活用することで、顧客1人ひとりの特性に応じた自然な対話を可能にし、同時にオペレータへの折り返しや情報修正といった業務負荷を削減。人とAIの協業による「次世代型コンタクトセンター」の実現を目指す。

2025年09月28日 12時58分 公開

2025年09月28日 12時58分 更新

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