経済産業省は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とともに生成AIの開発力強化に向けたプロジェクト「GENIAC」を立ち上げた。その活動の一環のプロジェクト「GENIAC-PRIZE」を5月9日から開始している。
GENIAC-PRIZEは、生成AIによる解決が望まれる4テーマを設定。それぞれに即した具体的なニーズに基づく生成AIサービスを開発・実証事例を公募し、審査を経て、成果に応じた懸賞金を授与するもの。4テーマは(1)製造業における暗黙知の形式知化、(2)カスタマーサポートの生産性向上、(3)官公庁における審査業務(特許審査業務をモデルとする)の効率化、(4)安全性向上に資する技術開発。
生成AI活用が耳目を集めるコールセンターは、(2)が対象となる。
経産省では、同テーマについて、次のように解説している。
<カスタマーサポートの生産性向上>
カスタマーサポートでは、高い離職率や採用難といった要因により深刻な人材不足が生じており、カスタマーサポートの生産性向上が急務となっています。このような状況下で、生成AIの活用に対する意識は高まっており、実際に導
入企業も増加しています。一方で、生成AIにはハルシネーションや安全性に関する懸念があり、顧客対応品質も重要であるカスタマーサポートにおいては、主にオペレータと顧客との対話の要約等に留まっています。しかし、ユーザーのデータ活用による生成AIの精度向上や導入を見据えた業務の見直し等によって、活用余地は広がります。効果的な生成AIの活用により、カスタマーサポートの生産性向上と顧客対応品質の向上が期待されます。
応募者は原則ユーザーで、日本国内の法人(企業、大学、国研等)および団体(官公庁、地方公共団体等)。ユーザーが必要に応じて開発者とペアを組んで応募することも可能。開発者は、日本国内の法人(企業、大学、国研等)、団体(官公庁、地方公共団体等)および。取組内容や体制が異なれば、1つの法人による応募件数の上限はない。実証に参加するユーザー数の制限もない。
なお、カスタマーサポート分野の審査員は、次の通り(敬称略)。
岡田 隆太朗(一般社団法人日本ディープラーニング協会 専務理事)
白井 恵里(株式会社メンバーズ 執行役員・メンバーズデータアドベンチャーカンパニー 社長・一般社団法人 Generative AI Japan 理事)
松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻 教授・AI戦略会議 座長)
村上 真奈(エヌビディア合同会社 ソリューションアーキテクトマネージャー)
矢島 竜児(株式会社リックテレコム 取締役月刊コールセンタージャパン 編集長)
山下 辰巳(HDI-Japan 代表取締役 CEO)
懸賞金の最大総額は約8億円、すべてのテーマで上位3者ずつが対象。5月26日(月)の9時30分からオンラインで説明会が開催され、表彰は2026年3月を予定している。
これらの概要は次のPDFファイルに明記されている。
2025年05月16日 11時52分 公開
2025年05月16日 11時52分 更新