コラム
第23回
クレームの気持ちを持つ方は、表情に出すか出さないかは別にして、多くの場合「怒り」の感情を抱いています。そういった思いでクレームをしてきた方に対し、不用意なひと言で相手をヒートアップさせるような言葉は絶対に口にすべきではありません。
その代表的なフレーズが「だって」「どうせ」「ですから」「でも」の「4D言葉」です。
「だって」は自分を正当化するために使う「言い訳」です。言っていることが正しくても「だって」という言葉を使わずに言い訳をしたほうが、聞き手を不快な気持ちにさせません。
例えば何かのトラブルで納期が遅れてしまった場合の言い訳として「だって、〇〇にトラブルが起きてしまったので……申し訳ありません」「〇〇にトラブルが発生してしまい遅れてしまいました。申し訳ございません」の2つを比べると、「だって」のひと言があるだけで印象が悪くなってしまいます。ビジネスの場においては「だって」は封印したい言葉なのです。
「でも」は相手の主張を否定する言葉です。この言葉を聴くと聞き手はまず「自分のことを否定された」と感じてしまいます。「それは違うんじゃないの?」という反抗的な態度に取られてしまいますから避けなければなりません。
「ですから」という言葉は「先ほども言いましたよね?」「わからないんですか?」と相手をバカにしたような印象を与えてしまいます。クレームしている方からすると「何よ! バカにしているの!?」という感情にさせられてしまいさらに大きなトラブルに発展してしまいます。
「どうせ」の後にはネガティブな内容の文言が付いてくるので、「やる前から諦めている」というネガティブなニュアンスがあります。
また「絶対にそんなことありません」「絶対に起こり得ません」と断言することも、相手の主張を全面的に否定するNG言葉です。理屈の上では「絶対にない」と考えられることでも、万に一つは起こらないとも限らないですし、そもそも、しっかりとした確認をせずに「絶対」と断言する行為自体が、相手の神経を逆撫ですることになってしまいます。
一方、相手からのクレームを何とかしたいと思うばかりに「絶対になんとかします」などと約束してしまう言葉も、それを実現できなかったら大変なことになりますから避けなければなりません。
「絶対」と同様に「普通はそのような状態にはならないんですけどね」などの「普通」も、相手をバカにしているという印象を与えるNG言葉です。
言葉遣いは習慣的なものなのでついうっかり出てしまいがちです。自分では丁寧に話しているつもりでも、相手の神経を逆撫でしてしまうことがありますから、クレームに対応する際には誠実な印象を与えられるよう十分に配慮していきたいですね。
2025年03月20日 00時00分 公開
2025年03月20日 00時00分 更新