実践編
第2回
採用で応募者が「この会社に入りたい!」と思う動機は、待遇や福利厚生だけではなく、企業の本質的な魅力が伝わったときに生まれる。表面的な会社情報ではなく、心に響くポイントを効果的に伝えること。それにより、応募者に深い共感と興味を抱かせることができるのだ。今回は、応募者の心をつかみ、自社の魅力を最大限に引き出す方法について解説する。
ミスマッチを防ぐため、採用時に企業は多くの情報を提供しようとする。しかし、その結果、次のような経験はないだろうか。
・自社の営業プロセスやトレーニング制度の充実を伝えたが、他社に行ってしまった
・自社の成果を具体的に伝えたが、応募者の心をつかめなかった
自社のスゴサや素晴らしさをふんだんに伝えたのに、なぜ選ばれなかったのか。
実は、自社の魅力は、説明すればするほど伝わらない。ロジカルや正論だけでは、応募者の心を動かせないためだ。
相手を説得しようとすると発動してしまう、それが「説明」だ。会社説明のプレゼン指導を行う際「5分で会社紹介してください」と投げかけると、多くの人事担当が会社の説明を始めてしまう。「会社について説明をするのは当然では」と疑問に思った方も少なくないだろう。例えば、「弊社は創業45年。本社は東京で、社員数は1000人です」。こうした会社紹介はよくあるが、会社のホームページにすでに書かれているデータを聞かされても、応募者は「つまらない……会社に魅力を感じないな」と思うものだ。
応募者の興味・関心を引いて入社したいと思わせるには、まず淡々とした情報ありきの説明をやめることだ。では、会社の何を話せばよいのか。それは、会社の「共感ストーリー」だ。
会員限定2024年10月20日 00時00分 公開
2024年10月20日 00時00分 更新