2022年4月号 <特集>

特集扉

すぐに使える「28のチェックリスト」
FAQ『整頓術』

Part.1 <チェックリスト>

「なぜ」「誰が」「どのように」検索するのか
“CX重視型コンテンツ”の作り方

「チャットボットが機能しない」「呼量が減らない」──多くのコールセンターが頭を抱えるこれらの課題は、『FAQ』が機能していないことに起因する。案内されたFAQで解決しないから、顧客はチャットボットに不満を感じ、電話をかけざるを得ない。労働力不足が深刻化するコールセンターにおいて、 “解決するFAQサイト”はCS、ES、経営貢献(コスト)のすべてのカギを握る。

 カスタマーサービスの“主戦場”は、オンラインに移行した。顧客は企業にコンタクトをとる際、まずネット検索する。コールセンターへの電話は、オンラインで解決できない場合の最終手段だ。つまり、オンラインですべて完結することが、理想的なCX(顧客体験)──エフォートレス体験といえる。

 は、編集部で作成した、FAQサイトの課題を可視化するチェックシートだ。(1)導線、(2)検索精度、(3)コンテンツ、(4)成果検証(KPI)、(5)組織の5つについて、計28項目のチェックポイントを設けた。各チェック項目のポイントと、具体的な改善方法を検証する。

図 FAQ運用・整頓のためのチェックシート

図 FAQ運用・整頓のためのチェックシート

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Part.2 <ケーススタディ>

顧客の「属性」と「行動」を理解する!
使いやすさと解決力強化を図る4社の挑戦

サイトの目立つ位置に「よくある質問」を配置し、あとは使い手のリテラシー任せ。これだけでは自己解決は促進できない。電話するよりも早く解決できる、ビジュアル重視でわかりやすさを追求するなど、CXを優先した取り組みが、結果的に呼量抑制という生産性向上をもたらす。カイゼンに挑む4社の取り組みを検証する。

CASE STUDY 1:パシフィックゴルフマネージメント

FAQの長所「ビジュアル」をフル活用
シニアの自己解決にも貢献

 全国でゴルフ場を運営するパシフィックゴルフマネジメント。プレー予約の6割をWeb予約が占めることからFAQサイトを開設。ゴルファーの多くがシニア層なことから、画像を多用、説明文を入れるなど、一目で分かるサイト構成を心掛ける。問題解決を優先させ、デジタルにこだわらない解決方法も持つ。コースに来た顧客の質問に、すぐ答えられるための資料を作ってコースで配布した取り組みは、ゴルフ場スタッフの手間を省くことにもつながっている。

CASE STUDY 2:富士フイルムサービスクリエイティブ

「どう使っているか」を可視化して改善
サイトからの離脱を防ぎ「脱・電話」を図る

 カメラ・OA機器メーカー大手、富士フイルムのコンタクトセンター事業を担う富士フイルムサービスクリエイティブ。電話が主体の問い合わせ対応からの脱却が不可欠だった。FAQの利用促進に向け、社内でWebの分析・検証などの各部門を集約した「ナレッジラボ」を創設。以降、Google Analyticsによる分析のほか、ヒートマップツールを活用して顧客のWeb上の閲覧箇所、クリック位置、滞在時間をサーモグラフィのように視覚化して顧客動向を把握し、FAQの導線を再構築した。

CASE STUDY 3:スカパー・カスタマーリレーションズ

約50%が検索サイトから直接流入!
導線重視した“タイトル”“コンテンツ”の見直し

 衛星放送「スカパー!」のFAQサイト改修を行った、スカパー・カスタマーリレーションズ。サイトへの流入経路や、閲覧デバイスを見直したところ、検索サイトからの訪問、スマホを利用していることが分かった。そこで、FAQのタイトルに検索されるワードを使う、スマホから見やすいサイトに変更、専任の担当者を置くなどを実施。これにより、FAQページが約800ページから640ページに削減。改修から2カ月後には、KPIが目標値を超え、現在も値が維持される結果を生み出した。

CASE STUDY 4:BIGLOBE

リスティング広告でFAQに誘導
検索サイトから1クリックで解決

 インターネット通信事業の大手BIGLOBEはAIチャットボット導入以降、顧客が抱えている課題に最適なFAQへ誘導するシナリオ構築を図っている。検索エンジンからアクセスするユーザーに注目し、Google検索時に表示されるリスティング広告を活用。「BIGLOBE お問い合わせ 電話番号」の検索で表示されるページに、チャットボットへの案内や閲覧数が多いFAQへのリンクをリスティング広告として掲載することで、自動表示される電話番号の掲載箇所をファーストビューに入らないように工夫した。