2021年12月号 <事例研究>

事例研究

カゴメ

ボイスボットで自動化、フォロートークで離脱防止
シニアにも寄り添うCRM/DX戦略

健康志向と消費・購買行動のデジタル化の後押しを受け、規模拡大が著しい健康食品の通販市場。大手の一角、カゴメのカスタマーサポートは、ロイヤルティ向上に向け、自動化とパーソナライズ対応を図っている。応対品質に対する満足度が極めて高いコンタクトセンターのCRM施策と、合わせて進行するデジタル化戦略を検証する。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、「健康」への関心はさらに高まっている。日本通信販売協会(JADMA)の調査によると、2020年の緊急事態宣言以降、サプリメントや健康食品分野の市場規模は拡大し、健康食品通販各社は急速に売上高を伸ばしている。

 カゴメ マーケティング本部 通販企画部 フルフィルメントグループ課長の松村國臣氏は、「センターのミッションは、ロイヤルティの向上」と強調する。顧客応対の方針は「百貨店のように顧客に寄り添った対応」だ。応対品質の管理は各アウトソーサーに一任し、モニタリングの評価項目、オペレータの評価/教育は各社の創意工夫を尊重している。ただし、管理は一任しているといえども、ロイヤルティを高めるためのスクリプトは共有し、カスタマージャーニーに応じたフォロートークを実践。定期購入が2〜3回目のタイミングで離脱防止を目的にフォロートークを実践している。

 1年以上、継続している顧客に対しては、特別な対応(ロイヤル対応)も実施している。顧客との対話を通じて、「孫の入学式」や「結婚」といったライフイベントがあると聞いた場合、ノベルティなどをサプライズで贈る制度だ。これらの施策は、従業員満足度向上にもつながっている。顧客から喜びの声が直接返ってくるうえに、アウトソーサーの従業員にも関わらず、委託元から裁量権を委ねられたことがモチベーションになる。

 同社では他にも、従業員のやりがいを意識した施策を実施している。VOC(顧客の声)収集の感性を磨く「とまとカード」もそのひとつだ。現場のオペレータもクライアントであるカゴメのサービスを形作る機会となっている。

 こうしたロイヤルティ向上施策にリソースを集中させるためにも、自己解決可能なものはエフォートレスに解決できるよう、デジタルシフトによる応対自動化を平行して進めている。

 定期購入の顧客は、シニア層が中心だ。新聞の折り込み広告やチラシなど、紙媒体を見て問い合わせるケースも少なくない。このため、問い合わせや申込みチャネルの中心は電話で、コンタクト全体の約50%を占める。松村氏は「シニアに寄り添ったデジタル化を進めました」と、デジタル戦略の全貌を明かした。

マーケティング本部 通販企画部 フルフィルメントグループ課長の松村國臣氏

マーケティング本部 通販企画部 フルフィルメントグループ課長の松村國臣氏

図 コンタクトセンターでのCRM施策

図 コンタクトセンターでのCRM施策

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Center Profile

センター

健康食品通販サービス「カゴメ健康直送便」のサポートセンター。全国4拠点、約200席が稼働、運営はアウトソースしている。(1)受注や定期購入者向け契約内容変更といったインバウンド、(2)お試し利用者へのアウトバウンド、(3)フルフィルメント業務を含むバックヤードの3チームがある。