2021年3月号 <ITの選び方&使い方>

ITの選び方&使い方

<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。

コーセー

ナレッジ刷新で検索時間は5分の1に
操作性向上、管理機能強化したFAQの威力

 化粧品メーカーのコーセー(東京都中央区、小林一俊代表取締役社長)は、「コスメデコルテ」などのハイプレステージから、馴染みやすい価格で若年層からの支持を得ている「ヴィセ」まで、異なる顧客層をターゲットにした多様なコスメブランドを展開している。商品カテゴリも、シャンプーからベースメイクなど多岐にわたり、商品数は数千にのぼる。

 お客様相談室では、約20人のオペレータが、商品の使い方や成分構成、プロモーションなどの問い合わせに対応している。室長の篠原文彦氏は、「最新情報を正確に把握することが必要。頭で覚えるだけでは難しく、ナレッジシステムなどのサポートツールが不可欠」と語る。従来は、Google Appsと連携するコミュニケーションツール『サテライトオフィス・掲示板/回覧板 for Google Workspace』の掲示板機能をナレッジシステムとして利用していた。しかし、操作性や検索性などに課題があり、目的のナレッジに辿り着くのに平均50秒ほど要していたという。とくに、ブランドを横断して比較するような質問などは、検索の難易度がさらに増し、容易には回答できなかった。

 そこで同社は、JSOL(東京都中央区、前川雅俊代表取締役社長)が提供する横断検索システム「J-Insight」の導入を検討。結果、検索精度が大幅に向上し、検索にかかる時間は約10秒に短縮した。篠原氏は、同システムの強みとして、「情報管理の手軽さ」も挙げる。PDFの文言などもピックアップして検索できるため、ファイル形式を問わずにそのままアップロードでき、検索だけでなく、作成・更新も大幅に時間を短縮できるようになったという。

今月のPOINTS!

システム概要
Google Cloud Platformを基盤とする、JSOLの横断検索システム「J-Insight」を採用。PDFやExcel、Wordなどファイル形式を問わずに格納できるため、ナレッジ管理を効率化できる。AIを活用した自然文検索の他、カスタマイズによってキーワード検索も可能としている。

選び方のポイント
トライアル期間中に、これまで慣れていた検索手法に合わせ、キーワード検索やファイル名検索をカスタマイズで開発。必要な情報にリーチする時間が平均50秒から10秒に短縮した。柔軟なカスタマイズ対応と、成果を創出したことから本格導入に至った。

使い方のポイント
PDFや文書など、情報を削らずファイルをそのまま格納することで、あらゆる問い合わせに備えることができる。また複数ブランドの商品比較表など、各ブランドを横断するような難易度の高い質問にも円滑に対応可能となった。FAQやチャットボットとの連携も容易にできるほか、将来的には対面接客のサポートも視野に入れている。

お客様相談室 室長 篠原文彦氏

お客様相談室 室長 篠原文彦氏

図 コーセーお客様相談室 ナレッジシステム概念図

図 コーセーお客様相談室 ナレッジシステム概念図

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