2020年5月号 <センター探訪>

研修用のモデルルームがある受付

研修用のモデルルームがある受付

家事代行の普及を目指す小野寺氏

家事代行の普及を目指す小野寺氏

コールセンターの業務風景

コールセンターの業務風景

ベアーズ

掃除も料理も研修のうち
経験がモノをいう家事代行のコールセンター

 ベアーズは、家事代行事業と、ハウスクリーニング事業を展開している。

 家事は、家庭ごとに好みや手順、感覚、重視するポイントがまるで違う。営業本部DCC部 DCC課の小野寺亮介課長は、「例えば、お風呂掃除で時間をかけて磨き上げたとします。それでも、お客様がトイレの清潔さを重視される方だと、そちらがおろそかになっていると満足度が下がってしまいます」と説明する。さらに、「ゴミが多い」場合も、その程度は人によって違う。スタッフ1人だけでは、想像を絶する量で規定時間内に終わらない場合もある。笑い話のようではあるが、「床は見えていますか?」など、適切なコーディネートを行うため具体的なヒアリングを重ね、正確なニーズを把握して「司令塔」の役割を果たすのがコールセンターだ。

 日程の変更など規定事項以外、例えば現場に派遣されるスタッフに直接言いづらいこともあるので、対応マニュアルだけではカバーできない。高いホスピタリティに基づいて、顧客に寄り添う場面も多いという。そういったケースにも対応するため、社員全員が派遣スタッフとしての研修をクリアし、サービスや現場の流れを熟知している。

 研修内容は、顧客の部屋に入室してから退室までの流れを学ぶ。具体的には掃除のやり方、マナーなどを座学や映像で学習した後、社内にあるモデルルームで実習。さらにモニター登録している家庭を実際に訪問してテストを実施する。挨拶、みだしなみ、顧客の話をメモしているか、むやみに触れてほしくないものを確認したかなど、チェック項目は約60にのぼる。それを合格するまで繰り返す。小野寺さんは「電車の金属部分に指紋がついていたら拭きたくなるほど、掃除に対する向き合い方が変わりました」と笑いながら話した。

 小野寺さんは、「家事代行サービスは、使わざるを得ない人や富裕層のものだ、という世の中の認識が変わってきています。共働き家庭のインフラサービスとして、もっと身近なものにしていきたいですね」と思いを語った。

掃除の基本を教わる研修

掃除の基本を教わる研修

ふきんの使い方など基本的なレッスン

ふきんの使い方など基本的なレッスン

2024年01月31日 18時11分 公開

2020年04月20日 00時00分 更新

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