コールセンター発の「顧客をファン化する施策」
先進2社に見るカスタマージャーニー・マップ創り
──ジェーシービー/ベアーズ
単なる“購買”ではなく、継続して購買、かつ推奨してくれる“ファン作り”は、企業戦略における最大の要諦となる。そのためには、感動をもたらす顧客体験の提供が必要だ。コンタクトセンターで蓄積したVOCに基づくカスタマージャーニー・マップを活用、分析に基づいたCX改善を推進する2社の事例を検証する。
「従来のカスタマージャーニー・マップの考え方は、“いかに購買してもらうか”がゴールで、そこに至るプロセスを可視化したものに過ぎなかった」と指摘するのは、ロイヤルティに関するコンサルティング経験が豊富なISラボ 代表の渡部弘毅氏だ。現代のマーケティングが、「“ファンづくり”であり、そのために顧客の実体験を可視化する取り組み」に変革する必要があると渡部氏は訴求する。
渡部氏はファンの定義を「企業への愛着である心理ロイヤルティの高い顧客」と定義し、その要素である感動体験を集積することを目的に、カスタマージャーニー・マップにおいては顧客体験を可視化することが重要だと語る。顧客体験を改善するポイントは、「顧客がどこで感動し、どこで落胆(失望)しているのか」だ。
カスタマージャーニー・マップを活用して顧客体験の改善を果たした先進2社の事例を分析する。ジェーシービーではテキストマイニングツールを活用して顧客の痛点を定量化、「顧客に電話する苦労をかけさせない」サービス設計へと刷新。ベアーズにおいては、長期利用顧客をペルソナとした共通解と、営業やオペレータが日々蓄積した“実際の顧客の声”を活用した個別解を展開、感動を提供しつづける体制を敷いた。
図 心理ロイヤルティを構造化&定量化したカスタマージャーニー・マップ
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2024年01月31日 18時11分 公開
2020年04月20日 00時00分 更新