2020年3月号 <事例研究>

事例研究

BIGLOBE

多様化するサービス、複雑化する顧客の質問
オムニチャネルで挑む「導線」「回答」の最適化

多様な顧客層からさまざまな問い合わせを受ける大手ISPのBIGLOBEのコンタクトセンターでは、接続品質の安定を目的に、オムニチャネル戦略と自己解決率向上に取り組んでいる。同社ではコールリーズンを厳密に精査し、顧客の導線を最適化することで、安定したセンター運用を実現している。

 インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)の市場環境は変化が著しい。ダイヤルアップの時代からブロードバンド、光サービスへの変遷、デバイスもPCからスマートフォン、タブレットと多様化。顧客の受け皿となるコンタクトセンターは、経営戦略とリンクした形で強化と効率化が進んでいる業界だ。

 大手の一角、BIGLOBEは、CS推進部がコンタクトセンターを含めたサービスプロセスにおける業務ルールの制定や品質・生産性のチェック、VOCに基づく分析や品質改善をリードしている。

 コンタクトセンターで重視しているKPIは、維持できないとCSが著しく低下することから「応答率」と「待ち時間」を目標に設定。CS推進部の大野理俊部長は、「品質や顧客満足度を低下させることなく、いかにAHT(平均対応時間)を短縮するかなど、効率化が最大の課題」と説明する。そこで注力しているのが自己解決の推進とオムニチャネル化で、同推進部に「オムニチャネルグループ」を設置している。

 顧客からのコンタクトチャネルは電話が中心だ。しかし、営業時間が限られていることや、コールが集中して応答率が不安定になることを防ぐために、オムニチャネル化と自己解決を推進している。具体的には、2018年8月よりWebサイト上にAIチャットボットの「びっぷる」を設置。その構築に際してFAQを見直した。導入後もAIチャットボットとFAQの改善を継続している。

 AIチャットボットで解決しない問い合わせに関しては、有人チャットサポートとシームレスに連携しチャットオペレータが対応。有人チャットサポート対応の主なKPIは返信時間と解決率を設定。現在は、顧客からの最初のコンタクトに対しては10秒以内に回答するよう心掛けている。

 さらに課題視されたのが「チャットから電話へのエスカレーション案件」で、“たらい回し感”が生じるため、満足度が著しく低下する傾向があった。そこでオムニチャネルグループでは、電話窓口にエスカレーションしたコールリーズンを分析。結果、キャンペーンの適用時期や工事日の日程確認・変更、SIMの到着日やオプションの変更・解約など、本人確認が必要な問い合わせが6割を占めていることが判明した。そのため、解決率は50%程度にとどまっていた。そこで、本人確認するフローを有人チャットサポートの対応に組み込んでいる。

コンシューマ事業本部 CS推進部 部長 大野理俊氏(左) オムニチャネルG グループリーダー 土生香奈子氏(中) コンタクトセンターグループ グループリーダー 土井脇 寛 氏(右)

コンシューマ事業本部 CS推進部 部長 大野理俊氏(左) オムニチャネルG グループリーダー 土生香奈子氏(中) コンタクトセンターグループ グループリーダー 土井脇 寛 氏(右)

図 センター窓口一覧

図 センター窓口一覧

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センター

全国各地に多数の拠点を所有。新規会員受け付け部隊、事務手続きサポート部隊、テクニカルサポート部隊、有償サポート部隊の4つのチームそれぞれでプロフェッショナルが対応している。近年はチャットやチャットボットなど、テキスト・コミュニケーションにも取り組み、CSや生産性向上に成果をあげている。