2020年3月号 <わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす>

わたちゃん

マーケティングの「両輪」は「後輪」が重要

ISラボ 代表 渡部弘毅

 クルマの買い替え時期なので、コマーシャルを見ていて、弾みで「4WDもええな?」と言ったとたんに、「アウトドアの趣味もないし、雪国には絶対住まないのに必要ない!!」と一蹴された、わたちゃんです。まあ、これには納得しました。

 マーケティングマネジメントを、カスタマージャーニー視点で大別すると、ファネルマネジメントとロイヤルティマネジメントの2つに分類できます。

 ファネルマネジメントとは、新規顧客を中心とした購買者づくりのためのマネジメントです。具体的には広告やキャンペーン、セール、コンタクトセンターであれば、アウトバウンドによる商談発掘や受注活動が該当します。したがって、評価は短期的なOnetime Valueを重視しがちです。

 それに対してロイヤルティマネジメントは、既存顧客のファン化を目指したマネジメントです。具体的にはアンケートによってロイヤルティを調査したうえで対策を立案・実行。コンタクトセンターであれば、ヘルプデスクによるカスタマーサポートや苦情受付対応などが当てはまります。従って、評価は中期的なLifetime Valueを重視したマネジメントとなります。

 企業にとってはこの2つのマネジメントは両輪で、ともに重要です。前輪のファネルマネジメントでしっかりお客様を獲得して、後輪のロイヤルティマネジメントでファンに育てていくという役割です。

 しかしながら、後輪(ロイヤルティマネジメント)はしばしば忘れ去られ、前輪だけのマーケティングに終始している企業も多く見られます。魚を釣ることだけに専念して、釣った魚には餌を与えず逃がしてしまい、また新しい獲物として釣る対象になってしまう、という状態です。事業を立ち上げたばかりのベンチャー企業では、ファネルマネジメントに注力することも重要ですが、ある程度、顧客基盤が固まった企業は、前輪から後輪へシフト──すなわちロイヤルティマネジメントをメインとしたマーケティング活動を展開していくべきです。ロイヤルティマネジメントがしっかり構築できた企業は、クチコミによる新規顧客も間違いなく増えます。ますます燃費の良いマーケティング活動が展開できるということになります。

 ということで、我が家のクルマの買い替えも、「家庭基盤がしっかりしている我が家に相応しいクルマは、FR(後輪駆動。スポーツカーや高級車に多い)やね〜」と提案したところ、「どこがじゃ!!」と一蹴されました。まだまだクルマ選びは続く我が家です。

 そうそう、2019年末に書籍「お客様の心をつかむ 心理ロイヤルティマーケティング」(翔泳社)を出しました! ロイヤルティを科学的に高める方法論を解説しています。ぜひAmazonでお買い求めください!

図 マーケティングマネジメントの両輪

図 マーケティングマネジメントの両輪