広々とした執務エリア。1人あたりのスペースも大きい
休憩室に設置された和室スペースとエクササイズのツール
TKCカスタマーサポートサービス
人口9万人強の町で採用は絶好調!
ポイントは充実した職場環境と教育制度
北関東3県には、大規模コールセンターがほとんど存在しない。言葉の問題、自治体の誘致がさして積極的ではないなど、考えられる原因はあるが、潜在労働力は決して小さくはない。
会計ソフトウエア大手のTKCのカスタマーサポートを担う子会社、TKCカスタマーサポートサービスは、栃木県鹿沼市に約200名のセンターを構えている。業務開始は2018年4月で、採用は極めて順調だ。人口は9万5000人程度の小規模な町だが、「求人に対して3倍以上の応募がある」(森田雄一常務)という。
もともと、事務職の大規模求人が少ない“ブルーオーシャン”に近いエリアなうえに、設備が極めて充実していることも“いいクチコミ”を生んでいる。1人あたりの専有面積が広い執務エリア、ゆったりした休憩スペース、そして保育園。集積地のセンターと比較してもまったくそん色はない。「全国のさまざまなセンターを視察させていただき、“これは”という設備を取り入れました」(コールセンター業務管理部の苅屋裕美課長)という。
オペレータの多くは現地採用のパートタイマーで、女性が3分の2以上を占める。クライアントは会計事務所、地方公共団体など。中小企業からの問い合わせは、一次受けのスタッフが用件を聞いて、適した専門スタッフに転送するという、いわゆる“人間IVR”体制だ。サポートすべき商品が多く、顧客のリテラシーにもバラつきが大きいため、顧客満足を重視するとIVRは活用しにくい。もちろん、振り分けを担う一次受けのスタッフにも、高度な知識が要求されるので教育にもかなり力を入れている。
立地、インフラ、制度のすべての面で「やめないセンター」を志向する同社の取り組みは、人手不足に悩む多くのセンターにとって好事例といえそうだ。
2024年01月31日 18時11分 公開
2019年06月20日 00時00分 更新