2019年6月号 <事例研究>

事例研究

明治安田生命保険

VOCを活かす「全社体制」の取り組み
高齢者対応、CS向上施策として結実

コールセンターは「顧客の声」を経営に届ける拠点──多くの運営企業が標榜する役割だが、実際にはレポート配信だけで改善に結びつけている事例は少ない。明治安田生命保険は、コミュニケーションセンターを「お客さまの声」統括部が管轄。関連する部署が参加する「お客さまの声」検証委員会も機能し、高齢者対応などさまざまな改善も実施している。

 高齢者からの電話が占める比率が高まり、対応手法に悩むコールセンターが増えている。とくに保険業界は、営業マンや外交員の人手不足もあって、コールセンターにおける問い合わせ対応が企業のロイヤルティを左右しかねない状況だ。

 最大手の一角、明治安田生命保険も、保有契約件数の約25%を65歳以上のシニア世代が占める(2017年3月末時点)。今後もさらに増加することは確実だ。コールセンター(コミュニケーションセンター)を管轄する「お客さまの声」統括部では、高齢者向けのさまざまな施策を考案、実践している。主なものは次の通りだ。

 (1)専用ダイヤルを設け、IVRを省略、(2)マルチスキル型コミュニケータ(同社のオペレータの呼称)を育成するためのプログラム強化、(3)住所変更や保険金請求の有無などを確認するフォローコールやはがき郵送の実施(訪問確認するケースもあり)、契約者以外の「第2連絡先」を登録する「MY安心ファミリー登録制度」など。

 高齢者の満足度を高める取り組みは、他の顧客への対応品質向上にも貢献している。

左から「お客さまの声」統括部 コミュニケーションセンター コール業務開発グループ グループマネジャーの太田靖伸氏、コミュニケーションセンター長の今枝秀規氏、コール業務開発グループ主任スタッフの奥山 薫氏、東京コール業務グループ ユニットリーダーの鈴木奈津子氏

左から「お客さまの声」統括部 コミュニケーションセンター コール業務開発グループ グループマネジャーの太田靖伸氏、コミュニケーションセンター長の今枝秀規氏、コール業務開発グループ主任スタッフの奥山 薫氏、東京コール業務グループ ユニットリーダーの鈴木奈津子氏

図 「お客さまの声」統括部の組織・機能

図 「お客さまの声」統括部の組織・機能

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Center Profile

センター

東京と大阪の2拠点体制。正社員、派遣社員合計約400名で年間約70万コール(イン・アウトバウンド計)に対応。管轄しているのは「お客さまの声」統括部で、蓄積したVOCを本社関連部署で構成する「お客さまの声」検証委員会に届ける役割を担う。高齢者対応など、改善実績も多い。