2019年3月号 <事例研究>

事例研究

アクサダイレクト生命保険

「顧客が選びやすいチャネル」のために
VOC活動の高度化に挑む

契約はネットでも、そこに至る経緯が多様化している──アクサダイレクト生命保険は、ネットや外部の相談窓口、銀行などの窓販チャネルといったさまざまな接点からの情報を活かしたVOC活動をコンタクトセンターを中心に実践。「顧客のニーズや行動」に合わせた商品やサービス開発を進め、新規契約数を伸ばしている。

 ダイレクト生命保険業界は、インターネットやスマートフォン(以下スマホ)が普及し、さらに“保険の窓口”に代表される相談型ビジネスが拡大したことで、消費者の認識や行動に大きな変化が生じている。アクサダイレクト生命保険はその傾向をいち早くつかみ、コンタクトセンターでもさまざまな改善に着手した。重要なポイントとなったのが、「VOC」だ。

 同社が掲げている事業方針は、カスタマーデシジョン、オムニチャネル、リーズナブルプロダクトの3つだ。

 カスタマーデシジョンとは、「顧客が自ら納得して合理的な商品を選択する」こと。その実践には、顧客の抱えるさまざまな疑問をいつでもどこでも解決できる環境が必要だ。訪問やアウトバウンドコールなどの積極的なセールスではなく、顧客自らが検討し、加入を決定できるように働きかけるアプローチによってオペレーションコストを抑制できれば、保険料を下げたリーズナブルな商品開発──リーズナブルプロダクトにつながる。また、オムニチャネル戦略では、スマホの台頭や代理店の広がりに応えることにより、新しい顧客を取り込むことに成功。その情報としてコンタクトセンターがVOCを集約し、経営資源となっている。

 ポイントは、見逃されがちな“一般的な問い合わせ”に焦点を当てた分析を開始したことだ。顧客が保険商品に詳しくないために生まれた誤解や行き違いをオペレータが引き出して細かく履歴として残し、Webサイトやパンフレットの案内など、各コンタクト・チャネルの改善に結びつけている。

 現在、課題となっているのはチャットボットと有人チャットの有機的な連携だ。すべてのチャネルでのコミュニケーションを統合することで、オムニチャネル対応のポテンシャルを最大限発揮することができる。さらに、音声認識でテキスト化したデータを、AI活用で品質向上や業務効率化につなげられないか検討している。VOCを経営資源とするITツールの活用を進めるとともに、同じ技術を活かして人材育成にも注力する方針だ。

(左)CS推進部アシスタントマネジャー 本間 敦氏 (右)CS推進部アシスタントマネジャー 山下紘司氏

(左)CS推進部アシスタントマネジャー 本間 敦氏 (右)CS推進部アシスタントマネジャー 山下紘司氏

図 アクサダイレクト生命保険のオムニチャネル戦略

図 アクサダイレクト生命保険のオムニチャネル戦略

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Center Profile

センター

北海道札幌市でのセンター運営を経て2014年7月に旭川市へ拠点を移動。当初はグループ会社であるアクサ損害保険に業務を委託していたが、更なる顧客満足度向上を目指し2016年10月に内製化に切り替えた現在は22名が正社員として雇用されており、申込み検討時の保険商品の説明から支払いの請求受付までサポート業務を包括的に担う。