
全日本空輸
全接点のジャーニーマップを描く
“オムニチャネルVOC”で課題を抽出
大企業で多様な顧客接点を持つ場合、すべてのスタッフに当事者意識を植えつけることは極めて難易度の高い課題だ。全日本空輸は、CS推進部が中心となってVOCの共有や社員研修を推進。カスタマージャーニーマップをベースにすべての接点の体験を可視化するなど、「一貫性」を重視することでブランディング強化を図る。
飛行機を利用する顧客は予約サイト、空港カウンター、機内など、さまざまなシーンで航空会社との接点を持つ。全日本空輸のCS推進部は、こうしたすべての顧客接点に集まるVOC(顧客の声)を集約し、サービス改善に活かす役割を担っている。
同部でも、電話やメール、手紙など年間約3万件の問い合わせに直接対応し、VOCを蓄積。顧客の意見や要望をとりまとめたうえ、イントラネットや社内メールでVOCを共有、定期的な社員教育を行うことでVOC活動を推進している。改善結果は、同社のホームページや機内で配布する情報誌「翼の王国」にも掲載するなど、積極的に顧客にも公開している。
同社ではVOC活動を、「サービス・クオリティ・マネジメント」と呼び、商品戦略の立案から提供、品質管理や改善活動といったPDCAに組み込み定期的に進捗確認を行っている(図)。VOCは、CS推進部に蓄積された年間約3万件の声に加え、空港、機内客室、予約・案内センター、営業セールスなどの社員から年間7万件以上のレポートも集め、サービスを多角的に分析している。さらに、顧客満足度調査の結果も合わせ、顧客体験を可視化したうえ、ペインポイント(痛点)の抽出に取り組んでいる。
本誌では、同社のVOC活動やカスタマージャーニーマップを活用したサービス改善などを詳しく紹介している。

CS&プロダクト・サービス室CS推進部業務チーム マネジャーの荒田亮子氏(左)とスタッフアドバイザーの青木麻衣氏
図 サービス・クオリティ・マネジメント全体図
※画像をクリックして拡大できます
Center Profile

社長直下のCS&プロダクト・サービス室にあるCS推進部には、約100名の社員が在籍。航空券の予約やマイレージサービスに関する問い合わせを除く、年間約3万件におよぶ電話やメールなどによる問い合わせに対応している。蓄積されたVOC(顧客の声)とCS調査、従業員からのレポートを集計、分析しVOC活動につなげている。
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2024年01月31日 18時11分 公開
2018年10月20日 00時00分 更新
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