2018年10月号 <特集>

特集扉

232社の「現状」に見る
コールセンターの洗練・成熟度

Part.1 <基礎データとチャネル活用>

“チャット”採用企業が急増!
問われる顧客接点の「オムニ化」度合い

 今年も、200社以上の回答が集まった「コールセンター実態調査」。とくに注目されたのが、「チャット対応の実践企業がどのくらい増えたのか」という点だ。結論からいうと、回答企業の約4分の1がチャット、あるいはチャットボットを運用し、LINEなどのメッセンジャーの採用企業も増えつつある。一方で、顧客DBの統合など「オムニチャネル対応」に必要な要素についてはまだ未整備の企業が目立つ結果となっている。

 対応チャネルは、「電話」(98.7%)、「メール(Webサイトの問い合わせフォーム含む)」(84.5%)が圧倒的多数を占めたのは例年どおりだが、導入事例が急増している「チャット」が26.7%と昨年度調査(16.2%)よりも増え、「LINEやFacebookメッセンジャーなどのメッセンジャー・アプリ/サービス」も9.5%ながら昨年度調査(2.5%)から急増している。なお、チャットは「対応予定」という回答企業が37.1%で、すでに対応している企業と合わせると60%を超えることになる。まさに“第3のチャネル”と位置付けてよさそうだ。

図1 コールセンターで対応しているチャネル(複数回答あり)

図1 コールセンターで対応しているチャネル(複数回答あり)

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Part.2 <ITソリューション>

196社がAIを導入/導入検討
最大の目的は“人手不足対策”“生産性向上”

 電話のトランザクションを制御・管理するIP-PBXやACD、CTI、IVR、音声録音装置、メール対応システムから顧客管理を司るCRMアプリケーション、膨大なVOC(Voice of Customer:顧客の声)を分析するテキストマイニング、FAQを中心としたセルフサービス、チャットボットなど、さまざまなITに支援されているコールセンター。Part.2では、導入/導入予定ソリューション、AI活用に関する回答結果を抜粋する。

 「導入しているITソリューション」について聞いたところ、「チャネル統合型ソリューション」の59.5%を筆頭に、全般的に昨年度調査の導入率を上回っている。なかでも、「チャット対応システム」は21.6%、「チャットボット」も14.7%を占めた。

 チャットボットの導入には、FAQの構築と充実が絶対に欠かせないとされている。FAQを公開・管理する「eセルフサービス・ソリューション」の導入企業が増えた(22.5%が30.2%へ)のも、チャットボット導入の前段階という推定が成り立ちそうだ。

図2 導入しているITソリューション(複数回答あり)

図2 導入しているITソリューション(複数回答あり)

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Part.3 <人材マネジメント>

「2018年問題」への対応は順調?!
進むオペレータの無期契約/SVの正社員化

 コールセンターのマネジメント課題は、結局のところ「人材」の問題に集約される。チャットボットの導入も、もともとは「人手不足の環境でもつながりやすさを維持したい」という狙いが背景にある。とくに2018年は、労働契約法、派遣法の改正が実施に移された激変の年だ。実態調査からは、該当スタッフの無期雇用化は着実に進んでいる一方、離職予防施策に悩んでいるセンター長の姿が浮き彫りとなっている。

 少子高齢化、景気回復を背景に、かつてないレベルの採用難に頭を悩ませているセンターが多い。「オペレータの採用状況」を聞いたところ、「拠点によってはかなり厳しい(応募数が確保できない)が38.4%、「全拠点でかなり厳しい」が34.5%で、昨年同様、採用難が深刻化していることがわかる。

 そうしたなか、労働契約法と派遣法の改正法が実施される、いわゆる「2018年問題」対応については、「該当者を無期契約化する」という回答が多くを占めている。コンプライアンスへの意識もあるが、「採れない以上、辞めさせない」という取り組みの一環とも考えられそうだ。

図3 オペレータの採用状況について

図3 オペレータの採用状況について

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