
「組織」と「戦略」どっちが先?
ISラボ 代表 渡部弘毅
最近、シニアシフトしている近所のイオンの店づくりや品揃えがすごく気に入っている、わたちゃんです。カミさんに思わず、「お前が先に逝ってひとり暮らしになっても、イオンがあれば俺は暮らしていける」と言ってしまい、ヒンシュクを買ってしまったばかりです。
組織と戦略についての有名な名言に、チャンドラーの「組織は戦略に従う」と、アンゾフの「戦略は組織に従う」があります。「どっちやねん!!」という人もいますが、組織を「構造」と「文化」で分けると納得できるのではないでしょうか。
組織構造はダイナミックに変化させることが可能ですが、組織文化はその企業が脈々と築きあげてきたもので、すぐには変えることはできません。
すばらしい「組織文化」を創り上げ、その「組織文化」に基づいたその企業らしい「戦略」を立案する、という意味では「戦略は組織に従う」です。従業員と会社がエンゲージメントされた企業文化を作り上げ、その企業文化に基づいた戦略を立案していこうという考えですね。
一方、立案した「戦略」を有効的に機能するために「組織構造」を作りあげる、という意味では「組織は戦略に従う」ということです。組織文化に基づいて、いくら立派な戦略を立案しても、その戦略がしっかり機能するにはパフォーマンスが発揮できる「組織構造」を作り上げることが重要という訳です。
こう考えると「組織」と「戦略」はどっちが先というより、表裏一体といったところでしょう。
それから重要なことは、「組織構造」はすぐに変化できますが、「組織文化」はすぐには変化できないという事実です。中長期的視野に立って従業員とのエンゲージメントを構築した「組織文化」を作り上げることは経営者の重要な役割ですが、短期業績に追われ、本来の役割を放棄している経営者も時々見られます。
「時代の変化に合わせて企業は変わらなければいけない!」と朝礼で叱咤激励している経営者自身が、本来は変えなければいけない古い組織文化から脱却できないでいるケースもよく見られます。「組織」と「戦略」は永遠の課題です。
ということで、家に帰って早速実践です。「そろそろ我が家も次の20年をにらんだ、新しい家族文化を再構築する時期にきている。チマチマ倹約する『臥薪嘗胆(がしんしょうたん)、勝つまでは!』文化から、『なんとかなるさ。人生は、その日をめいっぱい楽しもう!』文化に変革しよう。そして、その家族文化に基づいた消費戦略を立案しようじゃないか」──結果は、今回も玉砕です。脈々と築き上げてきた文化はそうそうに変わらないのです。よし、こうなったら地道な活動で下から文化の変革だ!
図 理念、組織、戦略の関連

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2024年01月31日 18時11分 公開
2017年09月20日 00時00分 更新
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