Recustomer(東京都中央区、柴田康弘・辻野翔大代表取締役)は、EC事業者における返品・交換など購入後体験の実態を分析したレポート「Returns, Exchanges & Delivery Report 2026 上半期」を公開した。同社が提供する購入後体験プラットフォームを導入する500ブランド超のECストアの実購買データを対象に、2026年1~6月の傾向をまとめている。
調査では、注文約1790万件、返品・交換約12万5000件(承認ベース)の実データを集計し、返品理由や申請が発生する時間帯、交換への転換率、返品・交換を経験した顧客の購買傾向などを分析した。
分析の結果、返品・交換を一度でも経験した顧客の生涯価値(LTV)は、未経験の顧客に比べて約1.95倍に達することが分かった。これは、返品・交換は単なるコスト要因ではなく、顧客との関係を維持し継続購買につなげる接点になり得ることを示す結果といえる。

返品申請の時間帯をみると、61.1%が平日9~18時以外の営業時間外に集中しており、顧客が手続きを行いたいタイミングとサポート側が対応できる時間帯との間にずれが生じている実態が浮き彫りになった。

一方、返品申請から承認までは78.7%が1時間以内、90.8%が24時間以内に完了しており、承認そのものに時間を要するケースは少ない。ただし、返金完了までの中央値は7.4日で、そのうち返品商品の配送待ちが中央値5.5日を占めており、返金スピードを左右しているのは承認処理ではなく配送を含めた一連の返品フローであることがうかがえる。

アパレルカテゴリでは、返品のうち25.5%が返金ではなく交換に転換しており、返品の約4件に1件が売り上げとして維持される結果となった。返品理由としては「サイズが合わない」が45.3%、「イメージ・色・素材感の相違」が18.9%を占め、合計64.2%が購入前の情報と実物とのギャップに起因していた。品質不良や破損を理由とする返品は13.6%にとどまっている。
同社はこうした結果を踏まえ、2026年下半期に向けた課題として、繁忙期に営業時間外の申請が集中することを見据えた申請・承認・案内の自動化と交換用在庫の計画的な確保、返金のみから交換も選べる仕組みへのポリシー見直し、配送状況の可視化による顧客接点の強化の3点を挙げている。返品・交換対応をコストとしてではなく、購入後の顧客体験を左右する接点として設計する視点が問われている。
【調査概要】 レポート名:Returns, Exchanges & Delivery Report 2026 上半期 by Recustomer 調査主体:Recustomer 調査期間:2026年1月~6月(一部指標は2025年7月~2026年6月) 調査方法:Recustomerを導入するECストア(500ブランド超)の実購買・返品・交換・配送追跡データの集計分析 対象規模:注文約1790万件、返品・交換約12.5万件(承認ベース)、追跡対象出荷約892万件、追跡メール送信約1273万件
2026年07月20日 09時54分 公開
2026年07月20日 09時54分 更新