コールセンター
生成AIやAIエージェントによる自動対応が、ベテランオペレータ並みの対応品質だったら──ほぼ夢想に近いと思われていたこの“理想形”を実現する可能性のある技術開発に挑んだのが、NTTの研究機関、NTT社会情報研究所だ。熟練者の対応の「機微」までをも可視化・フローチャート化するという挑戦の要諦を探る。
熟練したベテランオペレータのノウハウの継承は、すべてのコールセンターの共通課題といっても過言ではない。NTTの研究機関、社会情報研究所は2025年8月、LLM(大規模言語モデル)を活用、問い合わせ履歴の分析から熟練者のノウハウを“見える化”するAI技術の開発を公表した。
ポイントは、LLMによる「フローチャート化」にある。解釈性の高さ、修正するためのフレキシブル性など、そのメリットは大きい。具体的には音声認識システムでテキスト化した応対ログをもとに、LLMが「熟練者が実施した質問と提案」を抽出。それぞれにIDを付与し、問い合わせフローを構造化する。そのうえでツリー構造のフローチャートを作るという手順だ。
自然言語処理技術の評価に用いられることが多い公開データセットで検証したところ、再現精度は約9割に達した。
この研究の最終目的は、「顧客対応の完全自動化」にある。ほとんどの「うまくいく顧客対応」には、熟練したオペレータの判断基準やプロセスがあるという仮説のもと、これを可視化して生成AIを活用すれば、「ベテランオペレータ並みのロボット対応」が可能となるという発想といえる。
まだ緒についたばかりの技術だが、すでにソリューション化の検討ははじまっている。今後に要注目だ。

2025年09月20日 00時00分 公開
2025年09月20日 00時00分 更新