ガートナージャパンは、「日本におけるクラウドとAIのハイプ・サイクル:2025年」を発表した。
ハイプ・サイクルは、イノベーションが過度にもてはやされる期間を経て幻滅期を迎え、最終的には市場や分野でその重要性や役割が理解されるという段階を踏まえて進化する共通のパターンを描いたもの。今回は、クラウドとAIに関して、「AI、産業革命関連」「クラウド関連」「マイグレーション関連」の3つの観点から、とくに注目すべき34のテクノロジーやイノベーションを取り上げている。
これによると、生成AI、AIエージェント、エージェント型AI、マルチエージェント、ハイパーAIスーパーコンピュータなどは、ハイパースケーラー(膨大な規模のサーバーリソースを保有する企業)各社の主要イノベーションと競争領域になっており、MCP(Model Context Protocol)やA2A(Agent to Agent)プロトコルのように、新たなAIレイヤーを形成するプロトコルを巡る競争も急速に過熱している。
総じて、AIはベンダーの投資が非常に活発であると同時に、ユーザー側の関心も持続的に高まっており、実践的な取り組みも加速度的に進展している。同社では、こうした状況を踏まえ、「AIは比較的早い段階で成熟期に達する」と見ているという。また、現在のAIの進化はインターネットの進化に類似しており、これからさらにAIからAGI、ASI (Artificial Superintelligence:超知性) へ向けて進化する。一方、AI領域の多くのイノベーションは、過熱 (ハイプ) しやすい傾向があり、なかでも「エージェント型AI」はその典型であることに言及した。
また、クラウド関連のテクノロジーは、登場から相応の年月が経過しているにもかかわらず、企業における活用が限定的にとどまっており、成熟には想定以上の時間を要している。
ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストの亦賀忠明氏は、「企業は、AIエージェント・ウォッシング(名ばかりのAIエージェント)に留意しながら、将来の理想像と現時点で実現できる『リアリティ』とのギャップを正しく認識し、過度な期待や過小評価に陥らず、自社に合った導入戦略と展開のタイミングを冷静に見極める必要があります」とコメントしている。また、AIとクラウドが相互に補完し合う関係にあることを理解したうえで、「AI共生時代、さらに産業革命といった大きな変化に対応するために、企業を『クラウドやAIを活用できる』企業から『クラウドやAIをビジネスの前提とする』企業へと再定義し、それを支えるクラウド、AI、データ基盤の整備、ならびに時代変化に即した人材のケイパビリティ (スキル、マインドセット、スタイル) の獲得を着実に進めていくことが重要」(亦賀氏)と示した。
2025年08月12日 14時00分 公開
2025年08月12日 14時00分 更新