問い合わせ窓口格付け調査──ファッションレンタル業界
月額料金でさまざまなコーディネートを楽しめるファッションレンタル。各社ともWebサポートには注力し、豊富なセルフサービスで楽しみながら洋服選びができるようになっている。一方、有人窓口は課題だ。パフォーマンスで高評価を得る企業はあるものの、クオリティは低迷。一問一答の対応で積極性に欠け、顧客ニーズに関心を示さず、コミュニケーションに問題がある。
HDI-Japanは、2025年1月、ファッションレンタル業界の公開格付け調査を行った。
今回は「サービス利用前に情報やサポートを得る」という前提で実施。調査にあたっては、専門審査員、一般審査員のべ57人がファッションレンタル各社のWebページを確認し、また、それぞれの窓口に問い合わせた。そのうえで、Webサポート5項目を評価。さらに問い合わせ窓口のパフォーマンス5項目、クオリティ5項目の評価を行っている。
Webサポートは、3ツ星4社、2ツ星3社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。ファッションレンタル業界は2024年全業界平均と比べて『複数の選択肢』は高いが、その他の項目は低い評価となっている。
Webサポートで高評価のところは、必要な情報が目につきやすく、整理されているので探しやすい。自己解決につながるツールや機能も充実しており、多様な条件から商品を絞り込めたり、診断コンテンツも豊富であったりと、楽しみながら検索ができる。万が一のときの対応情報も詳しく提供しているので安心して利用できる。一方、低評価のところは、検討段階であってもコンテンツやチャットの利用に会員登録が必要で利用しづらく解決に至らないことがある。
問い合わせ対応は、2ツ星7社という結果で、3ツ星、1ツ星、星なしは該当がなかった。ファッションレンタル業界は2024年全業界平均と比べて、『サービス体制』『平均応答速度』『放棄率』は高評価だが、その他の項目はすべて低い評価となっている。
クオリティで高評価のところは、礼儀正しく丁寧で適度にフレンドリーであり、前向きな姿勢が表れているので質問がしやすい。サービスに詳しく分かりやすい文章で、Webのリンクも適宜活用するなど、メールの特徴を生かした対応で顧客は理解しやすい。
一方、低評価のところは、チャネルを問わず質問に回答するだけで、顧客ニーズに関心を示せていない。問い合わせの背景を掘り下げることはなく、要望に応えられない場合でも代替案の提供が乏しいなど、顧客との関係構築にはつながらない傾向がある。
パフォーマンスで高評価のところは、メールの返信が早く電話もつながりやすい。どのチャネルでも速やかに回答が得られ、円滑に対応が進む。顧客の置かれた状況をよく理解し、的確で個別のアドバイスも提供するなど、顧客満足度を高め、サービスの利用促進につなげている。
一方、低評価のところは、一問一答の対応で不安解消には至らない傾向がある。また、チャネルがメールのみであったり、チャットがリアルタイムではなかったりと、利用しづらく解決に時間がかかることがある。
2025年03月20日 00時00分 公開
2025年03月20日 00時00分 更新