2022年8月号 <インタビュー>

室林 明子 氏

働き方を変え、付加価値を高める
目指すは「脱・労働集約」とプロ集団化

NTTマーケティングアクトProCX
代表取締役社長
室林 明子 氏

BPO(テレマーケティング)市場は、コロナ禍で特需が発生、主要各社は軒並み売上高を伸ばした。その一角であるNTTマーケティングアクトは、事業の多くを新会社「NTTマーケティングアクトProCX」に譲渡。引き続き陣頭指揮を執る室林社長に、「高付加価値提案」と、「人材の育成」を柱とした新ビジネスの展開を聞いた。

Profile

室林 明子 氏(Akiko Murobayashi)

NTTマーケティングアクトProCX 代表取締役社長

日本電信電話に入社し、116センターのオペレータとして従事、コンタクトセンター(以下、CC)に関する知見を得る。マーケティングアクト北陸支店長在任時にVOCセンターの設立にも携わり、CC高度化を推進。カスタマーソリューション事業推進部長就任以後、BPO事業の責任者として連続増収・増益を達成。2021年7月に設立したNTTマーケティングアクトProCX代表取締役社長へ就任。

──今年4月、旧NTTマーケティングアクトから事業譲渡を受けて、NTTマーケティングアクトProCX(プロクス)に生まれ変わりました。その背景を教えてください。

室林 クライアントはもちろん、従業員(求職者)にも“真の意味で選んでもらえる会社”を目指すための事業譲渡です。従来の体制では難しかった就業環境や制度など、柔軟で自由度の高い仕組みに変えていくことで実践します。その結果として、社会全体、そしてクライアントの皆様に対してより高い付加価値の提供を目指す方針です。

 具体的には、完全変形労働やスーパーフレックスの導入、つまり働き方改革の実践です。介護や育児でフルタイムでは働けない方はもちろん、まだまだ労働意欲が高く、経験を活かすことができるシニア層、何らかの事情で引きこもらざるを得なかった方、身体的なハンディキャップを抱えておられる方、働きやすさという点で対応が遅れがちなLGBTの皆様など、これまではなかなか雇用が難しかった方々も、能力次第では多数、雇用したいと思っています。もちろん、ただ単に雇用を増やすというわけではなく、スキルが優先されます。そのために個々人の持つスキルをDB化し、ジョブマッチングする仕組みを強化しました。

──コールセンター業界、とくにBPO各社ではすでに人手不足、採用難が顕在化しています。その対策ということですか?

室林 もちろん、それもありますが、多様な人材を雇用し事業モデルに柔軟性を持たせるメリットは、当社のビジネスだけでなく、市場拡大に対する貢献という意味でも大きな意義があると考えています。コールセンターのオペレータは、残念ながら社会的地位が高いとは言えません。私自身、社会人としてのキャリアをオペレータとしてスタートしただけに、この現状には忸怩たる思いでいます。人材育成を最優先し、適切なジョブマッチングを行うことで、「コミュニケーション、そしてカスタマーエクスペリエンス実践のプロフェッショナル集団」として周囲に見られるように変えていきたい。「ProCX」という名称にも、その思いが込められています。

──パーパスも策定されましたね。

室林 『and Wow! 安心と信頼を紡ぎ 喜びと感動を生み続ける。』というものです。もともとあったフィロソフィーである「人こそ、かけがえのない財産」はそのまま継承し、人(スタッフ)の魅力や能力を最大限に引き出す人材育成を志向します。

(聞き手・矢島竜児)
続きは本誌をご覧ください

 

2024年01月31日 18時11分 公開

2022年07月20日 00時00分 更新

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