2022年8月号 ＜第2特集＞

SV／リーダーの意識調査2022
440名超に聞く「成長」への課題

正社員化は進むも年収には不満あり
平均「38.5歳、月給20万円台」は適正か？

　コールセンタージャパン編集部では、2022年６月14日〜24日、「SV／リーダーの意識調査」を実施。インターネットおよびメールで441名から回答を得た。

　回答者の属性は、図１の通り。女性が56％とやや多く、在住地域は関東、北海道、九州の順に多い。インハウスとアウトソーサー勤務は約半数ずつ。正社員の比率は49％で、限定正社員が36％と続く。有期契約社員やパート／アルバイト、派遣社員といった非正規雇用は合わせても10％程度だ。労働基準法や派遣法の度重なる改正の結果、SV／リーダーの正社員化は本格的に進んだといえる。平均年齢は38.5歳（n=352）で、現在勤めている会社の勤続年数は10年以上が約３分の１を占める。月給は20万円台が約半数、年収は450万円以下が過半数となっている。

図1　回答者の属性（n=441）

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　SV／リーダーの業務範囲は広い（図２）。オペレータのフォローや指導、教育にあたるSV／リーダーは92％。二次対応も担うSV／リーダーは71％を占め、レポート作成やシフト作成、呼量予測などもSV／リーダーの役割であるセンターも少なくない。

図2　主な業務内容（複数回答あり、n=434）

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　オペレータの管理・指導が主業務とあって、自身が会社から評価されていると感じているスキルについては、「オペレータへの気遣い」と回答したSV／リーダーが、55％を占めた（図３）。

図3　会社から評価されている（あるいは自信のある）スキル（複数回答あり、n=405）

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　一方で、今後伸ばしたいスキルについて聞くと、チームマネジメントやリーダーシップは、「実務を通して伸ばしていけると思うスキル」としているが、ITスキルや経営に対する発信力、企画力などは難しい、「研修や特別な指導を受けて伸ばしたいスキル」として挙がっている（図４）。

　SV／リーダーのこうしたニーズを組んで、研修を実施したり、生産性向上を図ったうえで「施策を考える時間」を作って、企画力を磨く環境を整えているセンターもある。

図4　今後、伸ばしたいスキル

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　仕事の継続意向について聞くと、「続けたい」が68％、「続けたくない」が24％という結果だ（図５）。これは、前述した業務効率化の推進実績の有無と相関しており、「続けたい」という回答者の70％以上は業務効率化につながった施策があったと回答したが、「続けたくない」という回答者の40％以上は「無回答」だった。

　多忙を極め、それに見合う報酬を得ていないと感じているSV／リーダーにとって、会社が負荷軽減につながる施策や環境を整えているか否かが、勤労意欲を左右する。回答者の多くは、長くキャリアを積み上げたベテランだ。そうしたリーダーの退職が現場にもたらすインパクトは大きい。SV／リーダーが「働き続けたい」という意欲を持つ環境づくりは、センターの重要課題のひとつだ。

図5　仕事の継続意向（n=441）

　やりがいを実感する仕組みづくりも進めたい。「やりがいを感じること」を聞いたところ、「担当するオペレータの成長を感じたとき」「チームが目標達成できたとき」などを挙げるSV／リーダーは多かった（図６）。SV／リーダーにとって、部下の成長や成果は自分のことのように嬉しく、誇らしいことだ。表彰制度などでメンバーが評価されることは、オペレータ本人だけでなくSV／リーダーのモチベーション喚起にもつながる。人材育成やパフォーマンス向上に悩むSV／リーダーに、必要なスキルを身につける研修を実施したり、他のSV／リーダーとノウハウを共有できる場を提供するなどの支援も欠かせない。

図6　やりがいを感じること（複数回答あり、n=429）

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