<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
日新火災海上保険
マルチチャネル対応の「第一歩」
電話からメールへの移行を円滑に進めるツール活用
事故に遭遇した際は、被害者でも加害者でも、その瞬間に人生最大の困難に直面している。日新火災海上保険では、徹底した地域密着型の「日新モデル」というビジネスモデルを標榜。各地域の拠点で、営業部門と事故対応要員が同じ場所で勤務している。代理店連携ももちろん、各拠点が中心だ。
従って、原則として事故対応もサービス支店の担当者が担うが、その営業時間は平日9時から17時。時間外、あるいは担当者が対応できない場合は、24時間稼働のコールセンターで対応しているが、あくまで一次対応のみ。日新モデルでは「担当者の寄り添い」が重要であり、迅速かつ正確な対応を実践する手法が必要となっていた。
事故対応は、発生時こそ電話が主な手段になるが、交渉の進捗報告など、以降のプロセスはメールが選ばれるが多い。しかし、契約時点でメールアドレスを取得していない顧客は少なくなかった。
電話口でメールアドレスを一字一句、確認しようとすると、時間がかかるだけではなく聞き間違いなどのミスが発生しやすい。事故でダメージを受けている顧客に少しでも負担をかけず、アドレス取得のやり取りをいかに円滑に進めるかが、喫緊の課題だった。そこで、シンプルかつ迅速にメールアドレスを取得するため、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「空電プッシュ」を2020年7月から導入した。
今月のPOINTS!
■システム概要
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「空電プッシュ」は、ドコモ・au・ソフトバンクの回線を使う携帯電話に対してSMSで用件を伝えられる法人向けサービス。SMSの開封率はメールよりもはるかに高いため、電話がつながらない顧客への有効なタッチポイントになる。API連携により、応対履歴を社内システムに同期できる。
■選び方のポイント
SMSに記載したURLから空メールを送ってもらうだけで顧客のメールアドレスが取得できるため、入力ミスや電話で読み上げる手間がかからず、利便性や確実性を評価した。送信数に応じた従量課金制のため、コストパフォーマンスも決め手になった。
■使い方のポイント
顧客からの空メールで自動的に社内システムにメールアドレスを登録するようAPI連携することで、代理店や営業部門などと共有している。そのほか、電話がつながらない時の用件の聞き取りやリマインド、電話(架電予約)など、各担当者が使い方を開拓している。
ビジネスプロセス企画 部企画G 課長補佐 安楽 瞬氏
図 空電プッシュとモバイルウェブ導入後のメールアドレス取得フロー
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2024年01月31日 18時11分 公開
2022年02月20日 00時00分 更新
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