2022年2月号 <サービスのプロに聞く>

軽部 紋子 さん

<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。

「個別最適化」した提案で顧客の人生を彩る
ヒアリングとアドバイスの秘訣

リクルートゼクシィなび
ゼクシィ縁結びエージェント
エリアマネージャー
軽部 紋子 さん

Profile

新卒で現リクルートキャリアに入社。クライアント企業の採用活動を支援する。アパレル製造小売り業に転職し、人事部にて現場スタッフの取り組みを発信する仕事を経験。2015年にリクルートゼクシィなびに入社。信念は、「お客様の人生のターニングポイントで、ベストな道に進めるよう寄り添うこと」。現在は、エリアマネージャーとして東日本エリアを担当し、店舗運営・スタッフ育成業務に注力している。

 生涯未婚率の上昇が囁かれて久しいが、新型コロナはこの傾向を加速させたと言われている。会食やエンターテインメント施設、ひいては通勤や通学までも制限され、いわゆる“出会いの場”は極端に少なくなった。

 そこで需要を伸ばしているのが、マッチング・サービスだ。結婚を望む多くの男女が、ゼクシィ縁結びエージェントのもとに訪れる。「“最大の応援者”として、お客様の描くゴールへと伴走したい」と軽部紋子さんは笑顔で語る。

 「結婚したい」とひと口に言っても、「1年以内に結婚式まで挙げたい」という顧客もいれば、「まずはお付き合いできる方を見つけたい」など、顧客の描くゴールはそれぞれ異なる。また、どんな相手を求めるのか── 一般的に、「容姿端麗」「優しい」「年収が高い」という“条件”は、いつの時代も高く、かつ曖昧なものだ。

 軽部さんがヒアリングするのは、このような「結婚」や「条件」などの言葉にとらわれた表層的なものではない。その裏側にある、顧客が今までの人生で築いてきた“価値観”だ。それを知ることで、潜在ニーズを浮き彫りにしていく。

 「価値観の不一致」を理由に離婚するケースは、少なくない。「お客様の価値観を理解してはじめて、似た価値観を持つ方をご紹介できます」と軽部さんは説明する。

 結婚は、相手があってこそ成立する。なかなか成婚に結びつかないケースも少なくない。このような場合、“求める条件が多すぎる”可能性がある。軽部さんは、顧客の考えを否定することはせずに軌道修正を図る方法として、“第3者話法”を巧みに使う。具体的には「婚活市場の現状」を背景に理想に合う相手探しの難しさを示し、「同じ条件で婚活を進めた人がどのような結果になったか」を説明するのだ。

 相手から断りを受けた場合、落ち込んでしまう顧客も少なくない。自信を失った顧客に対し、次に目を向けるよう励ますのも役割だ。

 「人と人の関係が希薄になりがちな今、これまでとは異なる方法での出会いでお客様同士をつなげたい。誰かといることで、楽しさが2倍になる幸せを感じてもらえたら、私もうれしいです」と軽部さんは柔らかな表情で語った。