2021年10月号 <サービスのプロに聞く>

飯塚 奈々 さん

<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。

家事で「五つ星ホテル」の感動体験を提供
非日常を演出する観察力とホスピタリティ

ベアーズ
ロイヤルクオリティチーム
飯塚 奈々 さん

Profile

短期大学卒業後、ヨガのインストラクターとして1年活躍。ダブルワークでベアーズの実業団チアダンスチーム「BearsRay」の立ち上げに参画。幼少期から家事が好きだったこともあり同社に転職、家事代行サービスのロイヤルクオリティチームに配属される。現在5年目を迎え、スタッフの教育係も兼任している。

 「お客様の家にある物を使って、非日常を演出し、感動していただく」──これは、家事代行サービスを提供するベアーズのロイヤルクオリティチーム 飯塚奈々さんの信条だ。

 同チームは、主に富裕層向けに、“ワンランク上”の体験を提供する。例えば、タオルの畳み方ひとつ取り上げても、ふんわりと見栄えよく並べるなど、高級ホテルのようなルームメイクを行う。実際に、家事の専門研修に加えて、5つ星ホテルで接遇・客室清掃・セッティングのトレーニングを積み、技術を磨いている。

 目の肥えた富裕層を感動させて、サービスを長く継続してもらうには、言われた家事をこなすだけでは不十分だ。やってほしいことをすべて細かくオーダーできる顧客ばかりではないし、たとえ聞き出して実現したとしても、“満足”はしてもなかなか“感動”までは生まれない。感動を生むには、顧客の潜在ニーズをくみ取り、観察する力が必要だ。

 飯塚さんは、「初めて伺うお客様は、最初は私たちに“ありのまま”を見せることを躊躇い、普通の日常以上に整理整頓されていることが多いです」と説明する。しかし、安心して任せられると分かると、徐々に行き届いていない箇所、つまり日常が目立ち始める。「そうした場所ほど、無理をしてでも取り繕いたい場所である可能性が高いと思います。優先的に綺麗にしています」(飯塚さん)。さらに、家の状態から想像力を働かせ、「大切にしているもの」や「価値観」を理解することも重要だという。

 飯塚さんは、想像力の働かせ方や、プラスアルファのおもてなしについて具体的に語り始めた。