2021年9月号 <特集>

特集扉

400人の消費者に聞く
「オムニチャネル体験」の痛点

Part.1 <消費者調査>

課題浮上した「チャットボット」の使い方
コンタクトリーズンごとの“誘導”が不可欠

チャットやチャットボット、LINE、Webフォーム(メール)といったテキストを活用した顧客対応は、一般的に電話ほど緻密なマネジメントが実践されていない。では、実際に対応された顧客は、どんな印象を抱いているのか。編集部は、体験したことのある消費者を対象としたアンケートを実施。その結果、「ナビゲーションの最適化」「チャットボットの使いどころ」などの課題が再浮上した。

 非対面のコミュニケーション手段の中心は、すでに電話からメールやチャット、LINEなどのメッセンジャーに移行している。総務省が2021年2月に発表した調査結果「通信量からみた我が国の音声通信利用状況──令和元年度における利用状況」によると、2019年の国内トラフィックの通信回数は、2013年度と比較して、実に約17%も減少。2020年以降、コロナ禍を受けて、BtoBのやり取りですら、相手が社内外問わずSlackなどのチャット型コミュニケーションに置き換わりつつある。

 しかし、顧客接点としてのマネジメントについては、電話対応ほどの「成熟度」は見られない。モニタリングや繁閑を予測したうえでのリソース管理に取り組む企業は少数で、電話対応ほどの経験値も乏しい。「場当たり」的な手法が目立つのが現状だ。

 編集部では、テキスト対応における「顧客体験」を検証する目的で、企業への問い合わせ手段として、メール/Webフォーム、有人チャットやLINE、チャットボット/LINEボットを利用した消費者を対象にアンケート調査を実施した。その結果から、「オムニ/マルチチャネル体験の痛点」を検証する。

図1 各チャネルを利用した用件(コンタクトリーズン)

図1 各チャネルを利用した用件(コンタクトリーズン)

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図2 各チャネルを利用した理由

図2 各チャネルを利用した理由

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Part.2 <座談会>

顧客視点の「導線」構築でエフォートレスに挑む
先進3社のチャット/ボット、LINE徹底活用法

LINE、有人チャット、チャットボット、SNSなど、テキスト対応を顧客とのコミュニケーションチャネルに採用する企業はかなり増えた。一方で、今回の調査結果からは、「自動化されたチャネルの満足度の低さ」が垣間見える。オムニチャネル化を推進、効率化だけでなくカスタマーエクスペリエンス向上に挑む3社の取り組みを聞いた。

出席者(順不同)

石井 陽子 氏

石井 陽子 氏
サイバーエージェント
AmebaCSグループ

富樫 雄太 氏

富樫 雄太 氏
WOWOW
コミュニケーションズ
営業部
WOWCOM College
課長

加藤 一輝 氏

加藤 一輝 氏
アニコム
ホールディングス
DX企画部長
アニコム損害保険
CX企画部長

──チャットやLINE、Webフォームなど、テキストをベースとしたコミュニケーションは、今や電話以上に活用頻度が高まっています。皆様の窓口の状況を自己紹介とともにお聞かせください。

石井 サイバーエージェントが提供している「Amebaブログ」のカスタマーサポート全般を担当しています。Amebaブログは、昨年時点で累計投稿数26億超という国内最大規模のブログサービスで、主な問い合わせ方法は、サイト上の問い合わせフォーム(メール)およびチャットボット、有人チャットです。

富樫 衛星放送サービス「WOWOW」のコールセンターなどを運営するWOWOWコミュニケーションズで、応対品質管理や人材育成を主に担当しています。WOWOWの問い合わせ窓口は電話、問い合わせフォーム、LINEおよびWebサイト上のチャットボットです。ネットサービス「WOWOWオンデマンド」のサポートも担っており、チャットボットは、アプリからWebサイトの「WOWOWサポートコンシェルジュ」にリンクしています。

加藤 ペット保険のアニコム損害保険でDX、CX領域を統括、お客様のコミュニケーション全般を管理しています。現在、保険契約件数はおよそ92万件で、問い合わせチャネルは電話、Webサイトのお問い合わせフォーム、LINEがあります。LINEは、お客様に役立つ情報を配信したり、お悩みなどの問い合わせ対応の他、保険金請求チャネルとしても機能しています。

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