2020年10月号 <特集>

特集扉

「在宅シフト」、急速進行中!
コールセンター実態調査2020

Part.1 <基礎データ>

「3密回避」と「接続品質」
コロナ禍で問われたマネジメントのバランス感覚

センター運営で何よりも重要な指標とされる「つながりやすさ」。新型コロナウイルス感染症の拡大は、その運営モデルを破壊した。「3密」を回避すると、従来のサービス品質を維持できない。かといって、在宅化も簡単ではない──。今年の「コールセンター実態調査」からは、こうしたマネジメントの苦悩が垣間見える。調査結果の一部を抜粋、解説する。

 コールセンター運営で何よりも重要な指標とされる「つながりやすさ」。新型コロナウイルス感染症の拡大は、その運営モデルをまさに破壊した。「3密回避」を優先すると、従来のサービス品質を維持できない。かといって、ソーシャルディスタンスを度外視した運営を強いると、オペレータの不安や不満が募り、それが「悪評」となってSNSで拡散、企業のブランド価値をも貶める。さらに情報セキュリティの観点から、在宅化も簡単ではない──。今年の「コールセンター実態調査」からは、こうしたマネジメントの苦悩が垣間見える。調査結果の一部を抜粋、解説する。

図1 コロナ禍がもたらしたマネジメントの苦悩

図1 コロナ禍がもたらしたマネジメントの苦悩

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Part.2 <ITソリューション>

PBX、CRMからFAQ、チャットボットまで
一気に加速した「クラウド・シフト」

コールセンターの運営には、IT投資が絶対に欠かせない。ここ数年、チャット/チャットボットや音声認識ツールの導入率が高まっていたが、今回の調査でもその傾向は同じだった。むしろ、長引くコロナ対策のためにも、それらの導入気運が高まっているようだ。あわせて、より柔軟性に富むクラウド・ソリューションの導入も加速している。

 コールセンターの運営には、IT投資が絶対に欠かせない。ここ数年、チャット/チャットボットや音声認識ツールの導入率が高まっていたが、今回の調査でもその傾向は同じだった。むしろ、長引くコロナ対策のためにも、デジタルシフトが若干ながら加速していることが実証された。あわせて、規模をはじめ、運用の柔軟性に富むクラウド・ソリューションの導入機運も高まっている。

 図2が、「導入しているITソリューション」の集計結果だ。昨年度調査を上回った項目が多く、チャネル統合型コンタクトセンター・ソリューションとチャット対応システム、チャットボット、音声認識システム、テキストマイニングの導入比率が高まっている。

図2 導入しているITソリューション(複数回答あり)

図2 導入しているITソリューション(複数回答あり)

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Part.3 <新型コロナウイルス感染症対策>

メール対応は約8割が在宅化
立ち遅れ目立つ「デジタルシフト」

新型コロナウイルス感染症がコールセンターにもたらした最大の変化。それが「在宅センター化」の機運の高まりだ。しかし、本調査の結果からは、移行できたのはメール対応が中心で、音声(電話)対応はまだ途上という印象が強い。さらに、Webサイトなどの自己解決支援も「強化」は少数派だ。ソーシャルディスタンス維持、飛沫防止、デジタルシフトなど、「コロナ対策」の実施概況を検証する。

 新型コロナウイルス感染症がコールセンターにもたらした最大の変化。それが「在宅コールセンター」の導入機運の高まりだ。しかし、本調査の結果からは、在宅に移行できたのはメール対応が中心で、音声(電話)対応はまだ途上という印象が強い。さらに、Webサイトなどの自己解決支援も「強化」は少数派だ。ソーシャルディスタンス維持、飛沫防止、デジタルシフトなど、「コロナ対策」の実施概況を検証する。

 図3は、新型コロナウイルス感染症による呼量変動について聞いた結果だ。入電量が増えた企業、減った企業がほぼ同程度となっている。業種だけでなく、業務(一般問い合わせ、テクニカルサポート、事故対応など)による違いが大きいと推察される。

図3 新型コロナウィルス感染症による呼量の変動(n=194)

図3 新型コロナウィルス感染症による呼量の変動(n=194)