2020年9月号 <インタビュー>

岩崎 也寸志 氏

コロナの大打撃を乗り越える“2つの柱”
「旅行を科学するデータ」と「コンシェルジュ」

JCBトラベル
常務取締役 経営企画部長
岩崎 也寸志 氏

カード事業を長年培ってきたJCBと、旅行業最大手のJTB。各業界のトップランナーを株主とするJCBトラベルは、コロナ禍で旅行業が軒並み大打撃を受けるなか、“コンシェルジュデスク”を武器に、グループ内外の受託ビジネスで大健闘している。蓄積した膨大な顧客データを活用した、「アフターコロナ」戦略を聞いた。

Profile

岩崎 也寸志 氏(Yasushi Iwasaki)

JCBトラベル 常務取締役 経営企画部長

静岡県出身。1989年 ジェーシービー入社。主に営業部、次世代インフラ構築プロジェクトを経て、2009年から2019年までは部長職としてコールセンターの企画・運営に携わり、2020年6月にJCBトラベルの常務取締役に就任。

──旅行・観光は、世界中で新型コロナウイルス感染症による影響をもっとも大きく受けました。

岩崎 業界全体の売上高は97%減と、かつて経験したことのない状況だったことは間違いありません。当社も大きな影響を受けていますが、「旅行以外」のビジネスを展開できているぶん、社員の雇用と生活を守りつつ、「次への備え」を着々と進めているところです。

──JCBトラベルのビジネスについて、具体的に教えて下さい。

岩崎 JTBとJCBで50%ずつ出資するJ&J事業創造の100%子会社になります。事業を大きく分けると、旅行業が中心の「トラベル&エンタテインメント」「トラベル&エンタテインメント ソリューション事業」、そして「会員ビジネス事業」の3つ柱です。トラベル&エンタテインメントについては、JTB商品のみならず多くの旅行会社の商品を取り扱っています。また旅行だけでなく、さまざまなチケットやレストランの予約も請け負っています。

 新たな商品の企画の際は、JTBと協働してJCBの優良顧客に向けた独自の企画を設計することができ、JCBの持つ会員組織に対して、よりマッチした商品を提案することができます。ソリューション事業では、JCB以外の優良会員保有企業と提携して、トラベル&エンタテインメントを提供していきます。会員ビジネス事業とは、JCBクラス会員・プラチナ会員だけが利用できるコンシェルジュデスクの受託です。コロナ禍でも、この受託事業が支えとなっています。

鍛えられたオペレータがもたらす
「コンシェルジュ」の価値

──コンシェルジュデスクの特徴と、依頼内容を具体的に教えて下さい。

岩崎 JCBの会員様のうち、「ザ・クラス」と「プラチナ」の方々へのトラベル&エンタテインメントサービスの提供や、頼まれごとに365日24時間お応えするサービスデスクです。合わせると月間、約1万7000件の入電があり、約140人体制で受け付けています。

──コンシェルジュというからには、高いスキルと知識が要求されそうです。

岩崎 扱う商材が幅広いため、求められるのは対応に必要な知識と、そして期待に応えられるホスピタリティです。

(聞き手・生嶋彩奈)
続きは本誌をご覧ください

2024年01月31日 18時11分 公開

2020年08月20日 00時00分 更新

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