2019年4月号 <Focus/ビジネス>

Focus

口座番号なしで企業→個人に送金
コンビニATM活用のCX重視型新サービス

便利でありながら安心な顧客体験を提供する──ときに相反しがちな2つの要件を満たす新たなテクノロジーが登場した。口座番号を取得せずに、携帯電話番号とメールアドレスのみで返金処理が行える新サービス。“エフォートレス”なカスタマーサービスの仕組みと利用シーンを検証する。

 キャッシュレスは便利な一方で、企業にとっても消費者にとってもクレジットカード番号や口座番号などの管理に対するリスクや不安がつきまとう。とくに少額か“1回限り”になることも多い返金処理や短期アルバイトの賃金、交通費などの支払いなど繰り返しのため口座番号を取得、管理することは可能ならば避けたいと考える経営者は多いはずだ。

 昨年設立したセブン銀行子会社のセブン・ペイメントサービスは、口座番号を取得せずとも企業から個人への送金が可能な新サービスを提供開始した。

 セブン銀行のATMで24時間365日、現金を受け取れるというもの。企業は送金相手の口座番号を取得する必要がなく、携帯電話番号とメールアドレス、送金金額をシステムに入力するだけで送金が可能だ。受け取る側の個人は、登録された携帯電話にSMSとメールでワンタイムパスワードが送信され、それと携帯電話番号をATMに入力すると現金が受け取れる。

 企業側の「個人情報を管理したくない」というニーズと、顧客側の「口座番号を教えたくない」という心理の両方に応えることから、登録企業数は伸びており、2019年3月末時点で150社にのぼる。

図 セブン・ペイメントサービスが提供するコンビニATMを使った送金サービスの仕組み

図 セブン・ペイメントサービスが提供するコンビニATMを使った送金サービスの仕組み

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