2018年12月号 <CS戦略>

左からカスタマーサクセス2部の梅沢徳宏部長、事業推進部の武仲理美部長、カスタマーサクセス2部の佐藤美季副部長、技術部の金子修平氏

<コーナー解説>
カスタマーサービスに注力し、コールセンターやWebサイト、アプリなどを有効活用し成長している企業のキーマンに戦略を聞きます。

トクバイ

MAツールで「アクティブサポート」を実践

企業プロフィール

設立:2016年7月1日
資本金:1億円
事業内容:チラシ・特売情報の配信を中心としたインターネット・メディア事業

 新聞の購読部数が減少を続けている。同時に、広告媒体である「折り込みチラシ」の存在価値も急落。エリア・マーケティングの有力手段を失った流通・小売店にとって“救世主”的なサービスに成長しつつあるのがトクバイが提供するチラシ・特売情報の配信サービスだ。

 同サービス「トクバイ」は、1店舗あたり月額5000円(基本プラン)でアプリやWebサイトを介して特売情報を配信できる。

 コンテンツ・パートナー開発本部カスタマーサクセス2部の梅沢徳宏部長は、小売業界の課題について、「人手不足でプロモーションに人材を割いたり、新しいチャレンジが難しい状態です」と説明する。また、家庭の主婦も、新聞の折り込みチラシがない以上、特売情報は店舗に行くか、ネットで自ら調べる必要が生じる。これらの課題に対し、“折り込みチラシよりも簡単に、広く情報を配信でき、消費者は自分の居住エリアの情報をプッシュ通知で受け取る”という同社のサービスは、典型的な「win-win-winモデル」といえそうだ。

 情報を提供する小売店の担当者は、地域に根差した商店や量販店も多く、ITリテラシーのバラつきが大きい。カスタマーサクセス2部の佐藤美季副部長は、「継続的に使ってもらうためには、サポートが重要」と強調する。

 サポート部隊は18名で主に電話とメールで対応。「活用促進」を実現するために、アウトバウンドによるアプローチを実践している。

 具体的には、マーケティング・オートメーションツールであるマルケトの「Marketo」と、セールスフォース・ドットコムの「Sales Cloud」を連携。アカウントごとに活用データを分析し、利用企業に対してメールを自動送信する。例えば「一定期間、更新がない、利用していないお客様に対するフォローメールなどを自動送信する仕組み」(技術部の金子修平氏)などである。

 同システムの導入前は、このプロセスを手作業で実施していた。「5万店を超える活用情報を目視でチェックしてアプローチするのでは、当社だけでなくお客様にとっても“次の一手”が遅れてしまいますし、抜けや漏れも発生しがちでした」(同本部事業推進部の武仲理美部長)という。言い換えれば、MAツールを“アクティブサポート”実践の手段として採用しているということだ。

 サブスクリプションモデルの生命線は「継続利用」だ。それを支える手段をアクティブサポートに見出し、MAツールで自動化する取り組みは今後も要注目だ。

図 トクバイのビジネスモデル

図 トクバイのビジネスモデル

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