2018年11月号 <特別企画 1>

特別企画扉

コールセンター/CRM
テレマーケティング市場展望2018(前編)

人材不足が追い風?!
大手10社で売上高は8540億円超へ

2017年度のテレマーケティング市場は、特需らしい特需はなかったものの、全体的には成長基調にある。とくに、雇用安定措置に関連した法改正や慢性的な人材不足を背景に、アウトソーシングを検討する企業が増え、追い風になった。主要各社のキーマンにインタビューし、今後の市場を展望する。

 かつては「特需で成長する業界」と言われたテレマーケティング市場だが、ここ数年は様子が変わってきたようだ。

 2017年度の市場は、特需らしい特需がなかった。マイナンバー関連業務や2020年の東京オリンピック/パラリンピック関連の需要が見込まれたが、期待したほどの広がりはない。また電力・ガス小売自由化関連では、一部のアウトソーサーで獲得業務などの受託があったものの、市場に影響を与えるほどではない。むしろ「どの業界も押し並べて需要が増えた」という声の方がよく聞かれる。

 この背景には、2018年度から適用開始された改正労働契約法・派遣法の影響が少なからずある。それまで企業が有期契約社員や派遣社員で行っていた業務が、雇用安定措置に伴う無期契約化・社員化で人件費が高騰、自社だけでは抱えきれなくなることを予想して、アウトソーシングに切り替えるという動きが活発化した。また全国を覆う慢性的な人材不足も、需要を底上げしたと思われる。

 2018年以降もこれといった特需要素はなく、各企業の暫定措置的なアウトソーシング需要もいつまで継続するか不透明だ。「案件はあっても人手が足りない」という状況も予想され、成長率の予測は難しい。本号と次号で、2017年のテレマーケティング市場を振り返るとともに、2018年以降の市場展望を主要企業のキーマン・インタビューからまとめる。

Keyman

顧客・技術・ノウハウ・拠点戦略において
伊藤忠/凸版シナジーでビジネスを拡大

ベルシステム24
取締役 専務執行役員
早田 憲之 氏

デジタルシフトの本質は自動化ではない
“原点回帰”で最適なチャネルを用意する

トランスコスモス
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新生ネクシア、ビジネス基盤強化にまい進
“選択と集中”で収益力を高める

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「脱・労働集約」を掲げる!
“AI以上のことができる人材育成”を推進

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2024年01月31日 18時11分 公開

2018年10月20日 00時00分 更新

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