CS部の谷本康承氏(写真左)、小川直樹部長
<コーナー解説>
カスタマーサービスに注力し、コールセンターやWebサイト、アプリなどを有効活用し成長している企業のキーマンに戦略を聞きます。
ピックアップ
顧客は“チャット型小説”の書き手・読み手
企業プロフィール
設立:2014年7月8日
本社所在地:東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー24F
代表者:宮本 拓代表取締役
事業内容:スマートフォン向けサービスの企画・開発・運営
チャットのトーク画面を模したスマホアプリの“舞台”で展開される小説。それが、チャットストーリーだ(画面)。主に登場人物の短い会話文で構成されており、タップで読み進めるうちに、登場人物の日常をのぞき見しているようなリアル感を抱く。
現在、恋愛やホラーなどさまざまなジャンルのチャットストーリーが収録されたアプリが登場しており、10代を中心に利用されている。DMM.comの子会社、ピックアップが開発・提供している「DMM TELLER」もその1つだ。
DMM TELLERは、作品を読むだけでなく、自作の小説を投稿、公開する機能を持つ。カスタマーサポートは、投稿に関する疑問解決や要望の吸い上げを主な役割としている。CS部長の小川直樹氏は、「物語への没入感を損なわないよう、問い合わせチャネルもチャット形式を選択しました」と強調する。対応する際の語調は、主要ユーザー層である10代のコミュニケーションを意識している。問い合わせを担当している同部の谷本康承氏は、「敬語を基本としつつ、相手の温度感を見ながら絵文字やカジュアルな表現を盛り込むよう心がけています」と説明する。活用しているアプリケーションは、米国のクラウドサービス「Helpshift」でKPI管理も可能だ。
小説の書き手から寄せられた「画面上でこんな表現をしたい」などの要望は、CSグループが改善提案書に落とし込み、開発部門と即時に共有。「CSの最重要ミッションはDAU(デイリーアクティブユーザー)と継続率の最大化です。“投稿しやすさ”、“好みの作品の見つけやすさ”を中心に改善を図っています」(小川氏)。
一方で、公序良俗に違反する投稿を削除するための監視もCS部門のミッションだ。谷本氏は、「ただし、表現を制限しすぎると、投稿数が減るばかりか物語から個性や面白味が消えてしまいます」と懸念を示す。「読みたい」と思える作品がなければ、ユーザーは離れていく。現状は、VOCを参考にしながら判断基準を探っているところだ。
かつて2000年代に流行したケータイ小説のように、社会現象にまで発展できるか。目標を「1000万ダウンロード」に据え、当面はサービス強化に取り組む方針だ。
「DMM TELLER」画面。会話形式で物語が進む(左)。サポートチャネルにもチャットを採用し、ストーリーへの没入感の維持に努めた(右)
2024年01月31日 18時11分 公開
2018年07月20日 09時00分 更新
コールセンター「DX化」の絶対条件 『シニアのデジタルシフト』講座
<コールセンター「DX化」の絶対条件 『シニアのデジタルシフト』講座・…
倉橋美佳
コンタクトセンター・アワード2024 最終審査会を開催
最優秀部門賞で4社、個人賞で11名…
三菱UFJ信託銀行、生成AIで社内問い合わせ業務の一部を自動化
担当部署の対応時間を5割削減
パーソルグループ、BPO事業を再編し新会社パーソルビジネスプロセスデザ…
RightTouch、Web・電話対応連携サービス「RightCon…
入力内容から、生成AIが適切なオペ…
三井住友フィナンシャルグループ、アバター接客サービスの実証実験を開始
AVITAのアバター接客サービス「…