2018年8月号 <事例研究>

事例研究

LINE Fukuoka

フィンテック事業を支えるCS起点の改善
ポイントは“速さ重視”のVOC活動

コミュニケーションツールであるLINEで、「お金」のやりとりが可能になった。このフィンテック領域に一石を投じる新サービスは、カスタマーサポートに集まるVOC(顧客の声)をベースにゼロから構築したものだ。ユーザーが望む顧客体験を想定、実現することでサービスを迅速に改善する同社の取り組みを検証する。

 月間アクティブユーザー数7500万人以上(国内)のコミュニケーション・プラットフォーム「LINE」。

 LINEおよび関連サービスの開発、クリエイティブ、運営、企画営業を行う、LINE Fukuokaは、VOCを反映させた品質向上やサービス成長に取り組んでいる。なかでも、LINEユーザーの約半数が使う「LINE Pay」のカスタマーケアは、サービスのリリースに伴い事業とサポートを同時にゼロから立ち上げ、急速な成長を遂げた。LINE Payとは、LINEアプリ上でユーザー間の送金や、提携サービス・店舗での決済を行えるモバイル送金・決済サービスだ。

 事業センターGlobal Operation室の加藤敏之室長は、「どのようなサービスが始まるのか、どのような顧客体験を提供するのかがまったくわからない状態でスタートしたので、起こり得るトラブルを網羅的に挙げていき必要なサポート体制を構築していきました」と振り返る。開設から半年は、操作方法や画面表示に関する問い合わせやご意見を受ける度、開発部門へフィードバックを行い、仕様を変更するという改善サイクルを毎日のように回していた。

 「LINEを使用している方が大半なため、LINEによるサポートが自然であり、チャットボットによるサポートはリアルタイム性が満足度に直結する」(加藤氏)と考えた結果、チャットボットでのカスタマーケアも開始。返答後、解決したかどうかを確認しており、解決しなかったログをAIを活用して解析、ナレッジの追加や修正に活かして正答率を向上している。

 チャットボットで解決しなかった問い合わせは、メールや有人チャット、電話で対応している。有人チャットは、やり取りの回数よりも解決までの時間や、チャット対応満足度をKPIとして設定し、より早い解決を目指しナレッジやノウハウを蓄積している。スピード重視だが、テンプレートをそのまま使うことはほとんどなく、自然な対話でエンゲージメントを築くことも重視している。

事業センターGlobal Operation室の加藤敏之室長

事業センターGlobal Operation室の加藤敏之室長

図 チャットボットでの対応の流れ

図 チャットボットでの対応の流れ

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Center Profile

センター

コールセンターという独立した組織ではなく、開発や運営と一体でカスタマーケア業務およびサービスの開発・運用を遂行する。チャネルはメールが中心で、一部電話やチャット(LINE)も活用している。台湾、タイ、インドネシアといったグローバルで統一した品質基準や情報共有を強みに、サービス品質を追求している。