HDI-Japan(神奈川県川崎市、山下辰巳代表取締役CEO)は、Webサポート、問い合わせ窓口、クオリティの3領域を対象とする格付け調査の年間総決算として「HDIアワード2026」を開催した。授賞式では、2025年1月から12月に実施した調査で三つ星を獲得した企業に加え、五つ星認証、サポートセンター国際認定(七つ星)を取得した企業が表彰された。

HDIアワードの格付けは、三つ星、五つ星、七つ星の三段階で構成される。三つ星は、顧客視点で一定水準以上のサポートを提供していることを示す評価。五つ星は、現場品質に加え、人材、プロセス、テクノロジー、リーダーシップを含むセンター運営全体を評価する。七つ星にあたるサポートセンター国際認定は、86のスタンダードに基づく現地監査を通じて、国際水準の運営品質を認定するものだ。

今回の調査対象は、ファッションレンタル、ホテル、クレジットカード、化粧品メーカー、生命保険、旅行代理店、証券、ポータブル電源、銀行、損害保険、自動車、介護ホームの12業界130社。このうち、問い合わせ窓口で三つ星を獲得したのは66社で、全体の5割を超えた。20年前の三つ星取得率が7%だったことを踏まえると、問い合わせ対応品質の底上げが業界横断で進んでいることがうかがえる。
五つ星を取得したのは、三井住友カード、大同生命保険、三井ダイレクト損害保険、みずほ証券、SBI損害保険、日本生命保険、auじぶん銀行の7社。

七つ星(サポートセンター国際認定)を取得した企業5社
七つ星のサポートセンター国際認定は、あいおいニッセイ同和損害保険、GMOペイメントゲートウェイ、SBI損害保険、富士フイルムサービスクリエイティブ、パーソルビジネスプロセスデザインの5社が取得した。五つ星、七つ星ともに、金融・保険業界の存在感が際立つ結果となった。

HDI-Japan代表取締役CEOの山下辰巳氏
山下氏は今回の結果について、「調査・格付けでは、顧客視点の指標が重要。顧客視点で改善の素材とすることが大切」と述べ、三つ星獲得企業に共通する要件を説明した。
とくに強調したのは、AI・DX活用の目的だ。呼量削減やコスト削減を優先し、問い合わせ先を分かりにくくするような設計は、かえって顧客離れを招く。重要なのは、センタースタッフが日々の応対で蓄積したナレッジをAIに生かすことだという。
また、KCS(ナレッジ・センター・サービス)の実践こそが品質と生産性を両立させるカギになると指摘した。さらに、顧客満足度には心理的ニーズへの対応が大きく影響すると説明。顧客1人ひとりの状況に寄り添うワン・トゥ・ワンの対応と共感が評価を左右し、ブランドプロミスと現場の対応品質が一致したとき、顧客の期待を超える体験が生まれると語った。
三つ星取得率が5割を超えたことは、サポート品質の標準水準が着実に高まっている証といえる。一方で、AIやDXの活用が進むほど、問われるのは効率化そのものではなく、顧客視点を起点にした業務設計と改善だ。HDIアワード2026の結果は、コンタクトセンター運営が次の成熟段階に入っていることを示している。
2026年05月22日 11時06分 公開
2026年05月22日 11時06分 更新