
中村 悟さんは旧ヤフー在籍時に、マインドフルネスを社内に広めた。
マインドフルネスとは、「いま、この瞬間に意識を向け、評価や判断をせずにそのまま受け止める心のあり方」のこと。自身の感情や思考の動きを観察し、状況を冷静にとらえる力を養う手法で、企業研修や医療・教育の現場で導入が広がっている。
中村さんは2014年、米グーグル発のEQ(感情知能)向上プログラム「Search Inside Yourself」を受講し、2016年にオリジナルの社内向けプログラムを構築。実践者が社内に広がり、一定の成果が見えたことから、「次は社外にも広めたい」と考えるようになった。そして、2020年に独立。現在は法人研修や大学での講義を中心に、「マインドフルネス・メッセンジャー」として活動中。「メッセンジャーを名乗るのは、自分も実践者であり体験者だから。指導者ではなく、身近な存在に感じてもらいたいのです」と語る。
多様な組織に研修を提供する中で、コールセンターに関わる機会も増えている。「コールセンターとマインドフルネスの相性は良い」と中村さんは語り、中でも重クレームなど厳しい局面では、マインドフルネスの知識と実践が効果を発揮すると考えている。
大手菓子メーカーのお客様相談室で行ったセッションでは、「お客様の言葉の裏にある本当の思いを探る大切さ」を伝えた。重クレームの背景には、「大好きな商品が期待通りではなかった」などの未充足な期待が潜んでいることが多い。「その感情を理解しようとする姿勢は、対応の質を大きく変えます。謝罪や“落ち着いてください”といった火消しだけでなく、“何が満たされていないか”を知ることが重要」と強調する。
では、どのような声掛けをすればよいのか。
会員限定2025年09月20日 00時00分 公開
2025年09月20日 00時00分 更新