Part.1 <現状と課題>
オペレータの“お世話係”が主で、多忙極まりないSV/リーダーの仕事と役割は、生成AIの登場によって省力化が期待できる一方、より高度化する可能性も高い。従って、SV/リーダーの視座を高め、新たなスキルを身に付ける環境の用意は欠かせなくなる。現場のリーダーからその会社のリーダーへと進化する力を養成する──新時代のSV/リーダーに必要な教育と環境を検証する。
SV自身はもちろん、オペレータの正社員化も進む昨今、「新たなロールモデル」としてのSV像が求められている。それは、「チームを主導し、時代の変化に合わせ改革を進められるSV/リーダー」「顧客対応だけでなく、サービスを設計できる人材」といえるが、実践できているケースは少ない。
SV/リーダーが改革を推進できない理由は、2つある。一般的なビジネススキル不足と業務過多だ。
優秀なSV/リーダーであっても、広い視野で改革や改善を提案できるスキルを持ち合わせているケースは稀だ。SV/リーダーはオペレータのフォローや指導に追われ、業務改善の施策を考え、その提案力を磨く機会も余裕も与えられていない。センター長をはじめマネジメントは、現場の課題をよく知る彼/彼女らから具体的な提案が生まれることを期待し、それが叶わないと嘆きがちだが、そもそもそれらを学ぶ教育プログラムが存在していないのだ。
正社員化が進むなか、長期的なキャリアアップの道筋を示す必要性は本来、高い。
従来は現場業務のプロだったSV/リーダーを、今後は「カスタマーサービスのプロ」に育てていくべきだ。顧客ニーズをもっともよく知る人材がビジネスの視点を持てば、適切な顧客理解やサービス設計も期待できる。SVを真の意味で「企業の人財」に育てる効果は計り知れないほど大きい。
Part.2 <リーダー・オブ・ザ・イヤー>
Part.2では「リーダー・オブ・ザ・イヤー2024」の受賞者7名が実施した取り組み、リーダーとしての強みを紹介する。それぞれの視点とノウハウで現場の課題をとらえ、オペレータのスキル育成や働きやすい環境整備、ツール提供などを主導した。SV/リーダーがさらにキャリアアップするために必要な人材育成のポイントも合わせて検証する。
Part.2では、編集部が主催する表彰制度「コンタクトセンター・アワード」(共催:イー・パートナーズ)の個人賞、『リーダー・オブ・ザ・イヤー2024』を受賞した7名のSV/リーダーを紹介する。同賞は、書類および面談によって、(1)経歴・実績(バックグラウンド)、(2)信念・情熱・使命感(マインド)、(3)革新性・価値(バリュー)、(4)動員力・推進力(パワー)、(5)マネジメント資質(リーダーシップ)、(6)表現力・コミュニケーションスキル(アピール)の6つの評価基準をもとに審査。受賞した7名は、これらの要素を持ち合わせた人材だ。
2025年04月20日 00時00分 公開
2025年04月20日 00時00分 更新