Micoworks
電話をかけてもつながらない、つながったとしてもすぐに切電されてしまう──アウトバウンド(架電)業務は、インバウンド業務と比較してオペレータの精神的負荷が高いとされる。業務適性を持つ人材は少なく、「いかにして人的リソースをかけずに成果をあげるか」「業務を維持するか」に苦慮しているセンターは多い。そこで、ボイスボットを活用した架電業務の自動化に取り組むセンターが増えつつある。
「自動化できたとしてもオペレータによる架電と同等の成果が出せなければ意味がありません」。そう指摘するのは、AI架電サービスを提供するMicoworksのVP of Product, Conversational AIを務めるJames Mesbur(ジェームズ・メズバー)氏だ。
具体的には、「人間らしい、なめらかな会話」ができるかどうかが、自動応答による架電業務の成果を左右するという。メズバー氏が、なめらかな会話において、会話設計と同等に重視しているのは発音だ。「企業の代表として架電している以上、自社名ですら正しく名乗れないのでは、不信感を招き、離脱の要素となる」(メズバー氏)。
こうした「人間らしさ」を追求して同社が独自に開発したのが、MicoVoiceだ。ビジネスの状況に応じた柔軟な自動架電を行えるよう、現場完結を前提とした操作性の高いUI(ユーザーインタフェース)を用意。1つの画面でトークスクリプトの作成やコール設定を完了できるシンプルさを特徴とする。設定漏れを防ぐため、ガイドも表示でき、誤った設定のまま架電するリスクを低減した。さらに、他のシステムとの連携も可能。メズバー氏は、「顧客情報にもとづいて、顧客の名前を呼ぶなど、パーソナライズしたスクリプト作成も実現。外部システムに蓄積された顧客情報を活用することで、従来の架電時間の9割を自動化できている事例もあります」と強調する。これに加え、ボイススタジオ(ボイス設定)で、任意の単語の発音登録が可能。正しい発音で社名やサービス名を読み上げさせることができる。
現在は、休眠顧客の掘り起こし、人材サービス業における面接日程の調整などでの利用が進んでいる。今後は、金融業の督促、サービス業のリマインドといった用途にも拡販を図る。拡販に向け、インバウンド業務への対応、AIによる自動音声応答を今後の実装予定としてロードマップに組み込んでいる。「自動化によって、オペレータ、SVといった現場の方々が架電業務から解放され、より創造的な業務に集中できることによる、センターの価値向上を支援したい」(メズバー氏)。
会員限定2025年02月20日 00時00分 公開
2025年02月20日 00時00分 更新