問い合わせ窓口格付け調査──損害保険業界
損害保険業界の格付け調査は、Webサポート・有人窓口ともに全項目が2023年全業界平均を上回る高評価を獲得。これは2022年調査から続いており、同業界のサポート品質の高さを裏付けている。Webサポートでは、とくに『センターとの連携度』が高評価。一方、有人サポートは、とくに『顧客満足度』が高評価となっている。
HDI-Japanは、2024年7月、損害保険業界の公開格付け調査を行った。
今回は「自動車保険を検討する際の問い合わせ〜新規申込み、商品、サービス、インターネット利用について」という前提で実施。調査にあたっては、専門審査員、一般審査員のべ147人が損害保険各社のWebページを確認し、また、それぞれの窓口に問い合わせた。そのうえで、Webサポート5項目を評価。さらに、問い合わせ窓口のパフォーマンス5項目、クオリティ5項目の評価を行っている。
Webサポートは、3ツ星11社、2ツ星2社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。損害保険業界は2023年全業界平均と比べて、すべての項目が高評価となり、とくに『センターとの連携度』が大きく上回っている。
Webサポートで高評価のところは、素早く知りたい情報を見つけられる。FAQやチャットボット、動画などのセルフヘルプだけでなく、保険の知識も得ることができるので便利である。また、シミュレーションも容易に利用でき、料金プランも分かりやすい。コンタクトセンターでは、Webを活用し、顧客にとって効果的なサポートを提供している。
一方、低評価のところは、テキストの量が多く情報を得るのに時間がかかったり、検索すると大量の情報がヒットして個別の情報が得られなかったりと、自己解決しにくい傾向がある。
問い合わせ対応は、3ツ星12社、2ツ星1社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。損害保険業界は2023年全業界平均と比べて、すべての項目が高評価となり、とくに『顧客満足度』が大きく上回っている。
クオリティで高評価のところは、前向きさや積極的な姿勢があり、礼儀正しい対応で信頼を得られている。質問に即答するだけでなく、顧客の理解度に合わせて柔軟に対応している。また、言い換えや復唱をうまく活用し、問い合わせの目的を把握してスムーズに進めているので一体感がある。配慮の行き届いた安心感のある対応で、顧客は相談しやすい。
一方、評価が伸び悩んだところは、十分なニーズ把握がなく一方的に話を進め、顧客にネガティブな印象を与えることがある。
パフォーマンスで高評価のところは、電話、チャットともにつながりやすい。豊富な知識をもとに解決へ導いているので、短い時間でサポートを提供できている。また、問い合わせの背景を掘り下げ、状況把握に努めた対応なので解決力も高い。正確な情報を提供するだけでなく、顧客の納得感や達成感を大切にしたサポートなので満足度が高い。
一方、評価が伸び悩んだところは、ニーズを満たす対応には至らず期待を超えることはなかった。
2024年09月20日 00時00分 公開
2024年09月20日 00時00分 更新