人件費の高騰が勢いを増している。採用時時給の全国平均は、昨年より100円以上上昇し、1491円。全国でもっとも時給が高い関東の昨年の平均時給を上回る結果となった。これほど時給が上がっても採用難は緩和していない。今後も続く人手不足に備え、オペレーションの自動化を進め業務量の低減を図る一方、正社員化やノンボイスチャネルへのシフトを図り働きやすさや職場としての魅力を高める施策が不可欠になっている。
業種を問わず人手不足は慢性化し、求職者の給与に対する見方は物価高を受けて厳しくなる一方だ。
採用時時給(以下、時給)および採用時月給(以下、月給)は上昇の一途をたどっている。
編集部が2024年1月〜3月に実施した全国採用時時給調査の結果では、昨年に続いて、全国すべてのエリアで平均時給が上昇、全国平均時給はついに1400円台に達した(図)。コールセンター集積地である、札幌市、仙台市、福岡市、那覇市も軒並み時給が上昇している。
生成AIの登場を受け自動化が加速し、労働集約型のモデルからの転換が進みつつある。しかし、そのスピードはそれほど早くはない。AIの認識精度やデータ連携などの課題もあるうえ、顧客の行動変容にも時間がかかることから、センターの規模縮小が実現するのはまだ先だろう。このためオペレーションの自動化と並行して、人材確保の施策にも引き続き注力する必要がある。
2024年07月20日 00時00分 公開
2024年07月20日 00時00分 更新