Umee Technologies
音声認識システムの導入、活用は進んでいるが、テキスト化した音声ログを十分に活かせている企業は少ない。電気通信大学の認定ベンチャー、Umee Technologiesの代表取締役、新納(にいろ)弘崇氏は、「録音や記録は、万が一の備えや保身を目的としたものから、具体的な改善に結びつけるためのものに役割が進化しています。どういう対応であれば良かったのか、具体的に分析する機能が必要になっています」と説明する。同社が提供するコネクテッドセールス・プラットフォーム「Front Agent」は、顧客とオペレータの対話内容を基に、対話の要約やコールリーズンの分析、応対品質の評価などさまざまな活用シーンに合わせたレポーティング機能を実装。「決裁」「焦っている」など、商談のカギとなるキーワードにフラグをつけ、どのような商談かを可視化できるほか、「コスト削減」など、どの話題が会話の中でどの位占めているか会話の構成比をグラフで示す。オペレータごとのレポートでは、会話のクセが一目で分かり、トップオペレータとの比較から課題や育成すべきポイントを探ることができる。入社後の応対傾向を時系列で追跡することで、研修の進捗管理にも活用可能だ。
さらに、対話内容から人の心理モデルを解析する嗜好性会話検索エンジン「Deep Insight」を自社開発し提供。音声の動きとテキスト内容を複合的に解析することで、話者(顧客・オペレータ)の心理状態を定量化し、顧客が好印象を示したオペレータの発言や、顧客のネガティブな反応をいち早く察知して、解約抑止や、オペレータに対する理不尽なクレームを未然に防ぐための解決策を示す。
商談に影響があるキーワードを自動で検出、通知する仕組みがあるため、「割引」「見積もり」という言葉が出たときに、SVが見積もりや提案資料を作りオペレータに送るといったリアルタイムのフォローも可能。オペレータはトークに集中でき、日々の業務により貢献できる。「話した内容」ごとにアポイントの成功を数字で示す機能もあることから、「アポイントにつながるトークスクリプト」を作成できる。
導入後の支援体制の強化も図っている。同社はパーソルプロセス&テクノロジーと共同で、商談の勝ち筋を定着させる営業改善サイクル「セールスイネーブルメント」を提唱、6月よりコンサルティング支援として提供開始した。
同ツールは、新納氏自身が以前勤務していた企業で、全世界22万人におよぶ営業社員の対話解析に苦労したことをきっかけに開発された。セールスはもちろん、サポートや面談、相談に至るまで、コミットメントが求められるあらゆるトークに活用可能だ。
2024年06月20日 00時00分 公開
2024年06月20日 00時00分 更新
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