基礎編
第6回最終回
個人情報漏えいを想定していない、あるいはそのリスクは知りつつも対策を怠っている企業は想像以上に多い。最終回では、実際にコールセンターで起きた事例をもとに、採るべき対策について考察する。実際に個人情報漏えいが起きた場合、問い合わせを受け付けるコールセンターでは、対応についても、あらかじめ具体的に方針を決めておきたい。
業務の繁閑差が大きいコールセンターは、部分的であってもBPO企業などの外部業者に業務を分散して委託することが珍しくない。その委託先、あるいは再委託先が必ずしも個人情報に意識の高い会社であるとは限らない。対策を徹底するためには、委託先や再委託先で雇用されるアルバイト、派遣社員にまで広げて個人情報安全管理を考える必要がある。
個人事業主や中小企業は、大きな責任や賠償に耐えられないという実情もあり、求償権は残りつつも、基本的に川上の企業が賠償責任を負う。取り引きの流れで関係する外部業者が漏えい事故から逃げてしまう場合もある。この場合は、元をたどって委託した企業が法的責任を負わされる。もちろん、その際に生じた風評リスクも引き受けることになる。自社のみならず関連会社にも目を配って情報の安全管理対策を徹底する必要があることを自覚してほしい(図)。
会員限定2024年05月20日 00時00分 公開
2024年05月20日 00時00分 更新