リクルートマネジメントソリューションズ、「中間管理職のオーバーワーク」について調査

リクルートマネジメントソリューションズは、このほど「中間管理職のオーバーワーク」について調査を実施。課題解消に向けた提言を発表した。

管理職の役割範囲は拡大し続けており、とくに2000年以降は、部下の管理・監督以外にも、人事施策の策定・運用に加え、プレイング業務まで担うことが常態化しているケースが増えている(図1)。

図1 管理職の役割の変遷サマリ(資料提供:リクルートマネジメントソリューションズ)

同社は2023年6月、企業の人事担当者150名と管理職層150名を対象にインターネット調査「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2023年」を実施。
人事担当者、管理職層、ともに会社の組織課題が「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」が1位になり(図2)、「マネジメントの業務比率が50%以下の人の割合が、6割程度」と、多くのマネージャーはマネジメント業務に専念できていないことが明らかになった。

図2 会社の組織課題について(複数回答可、単位:%、「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2023年」)

マネジメントがプレイング業務を担う理由については、「メンバーの知識・スキルが不足しており仕事を一任できない」「自分の専門性を維持・向上させ続けるため」が上位に並び、マネジメント業務に専念させることは容易ではないことがわかる。

マネジメント業務自体も煩雑化している。
その背景について、トレーニングマネジメント部 トレーニング開発グループマネジャーの石橋 慶氏は、「ビジネスの環境変化が激しく、短期成果と中期成果を高い基準で両方同時に求められるなか、マネジャーがこれまで解決した経験のない課題が次から次に出てきて見通しを立てることが難しくなっている。また、マネジメント対象となるメンバーの多様化も進んでいる」と指摘する。

こうした状況に対し、トレーニングマネジメント部 トレーニング開発グループ主任研究員の木越 智彰氏は、中間管理職がオーバーワークから脱却するための、4つのアプローチを提言。具体的には以下の通り。
(1)「分業」など他のリソースに振り分けられるような制度・仕組みの導入
(2)マネージャーの能力開発
(3)アイデアなどをチームで生む「自律共創型マネジメント」の導入
(4)自律共創型組織を実現するためのマネージャーの行動変容を促す

これらの取り組みにより、管理職のオーバーワークを是正し、「管理職になりたくない」という部下の意識を変えることが、組織の成長には欠かせない。

 

トレーニングマネジメント部 トレーニング開発グループマネジャーの石橋 慶氏

トレーニングマネジメント部 トレーニング開発グループ主任研究員の木越 智彰氏

2024年03月13日 18時22分 公開

2024年03月13日 18時22分 更新

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