2021年12月号 <特集>

特集扉

ケーススタディとデータに学ぶ
BtoB/BtoCのCS活動

Part.1 <現状と課題>

BtoBは「仕組み」、BtoCは「人材」?!
調査に見る顧客満足への影響度合い

「コールセンター実態調査」では、毎年、約80%がコールセンターの設立目的を「顧客満足度向上」と定義している。しかし、「何をすればCSが上がるのか」まで分析しているセンターは少数派だ。そこで、顧客満足度調査の専門機関であるJ.D.パワー ジャパンの調査をベースに、BtoB、BtoCによる「構造の違い」を検証、さらにコールセンターにおけるCS活動の現状と課題を整理する。

 「顧客満足の向上」は、ほとんどのコールセンター運営企業がミッション、あるいは目的として掲げているコンセプトだ。しかし、実際に対応した顧客に対する「満足度」を調査、可視化し、かつ「何をすれば満足度が向上するのか」という要素分解・分析まで実施している運営企業は少数派にとどまる。

 ひと口にCSと言っても、それを左右する要素は業種によって大きく異なる。グローバルで顧客満足調査やコンサルティングを展開しているJ.D.パワーの日本法人、J.D.パワー ジャパンが実施した調査からは、BtoB、BtoCのビジネスモデルによって、総合満足度を左右する要素が異なることが明らかになっている(図1)。応答率をはじめとした「つながりやすさ」の徹底と、迅速な問題解決やオペレータによる親切な対応、どれを優先すべきか──事例とデータから「CS活動のあるべき方向性」を探る。

図1 顧客満足度の構造 BtoBは「顧客対応」の影響度が大きい

図1 顧客満足度の構造 BtoBは「顧客対応」の影響度が大きい

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Part.2 <ケーススタディ>

「つながりやすさ」「ホスピタリティ」
ビジネスモデルで傾向変わる“6つのCS要素”

顧客満足の観点で、「つながりやすさ」は必須条件。その先にある継続利用や顧客のファン化には、「オペレータの寄り添い力」が欠かせない──。CSに対する捉え方はビジネスモデル問わずほぼ共通しているものの、呼量予測が比較的容易なBtoBと、難易度の高いBtoCによる違いも垣間見えた。各社の自己採点と合わせて検証する。

 Part.2では、BtoB/BtoC、それぞれ3社の事例を検証する。各社には、CSを左右する要素として、(1)つながりやすさ、(2)完了/解決までの時間、(3)案内や処理の正確さ、(4)オペレータがお客様に寄り添う力、(5)オペレータの提案力、(6)オペレータの豊富な業務知識──それぞれの重要度と達成度を自己採点してもらい、結果をレーダーチャートとして示した(図2)。

 各社の特徴は図3に記すが、全体的にはBtoB、BtoC問わず、「ホスピタリティ重視」の傾向が見て取れる。BtoBは各社とも、「継続利用」を図るために1to1対応を志向する傾向が強い。BtoCの3社はホスピタリティを重視しつつも、呼量予測の難易度が高く、接続品質や生産性のバラつきを抑えるため、自動化やテキスト・コミュニケーション強化に乗り出す傾向が見て取れた。

図2 6つのCS要素と評価基準

図2 6つのCS要素と評価基準

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図3 6社のCS施策

図3 6社のCS施策

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<BtoB>

CASE STUDY 1:ヤフー

徹底的に数値で可視化!
「CSを科学する」ことで経営貢献を図る

CASE STUDY 2:ヘイ

全社共通ゴールは「NPS向上」
サービスごとに最適なKPIを設定

CASE STUDY 3:サイボウズ

採用/教育でホスピタリティ重視
継続利用につながる「寄り添い力」を醸成

<BtoC>

CASE STUDY 4:ベネッセコーポレーション

CSを左右する「つながりやすさ」「導線」
問い合わせに至るまでのCXに着目

CASE STUDY 5:三井ダイレクト損害保険

CSと継続率を左右する“安心感”の提供
「理解力」「ホスピタリティ」「提案力」を重点教育

CASE STUDY 6:nijito

役割は「お客様を知ること」
対話を重ねエンゲージメント強化