2020年6月号 <ITの選び方&使い方>

ITの選び方&使い方

<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。

nijito

サイレント・カスタマーを動かす「LINE」の威力
“髪の悩み相談”で購入単価を向上

 忙しい女性のためのライフケアブランド「haru」を展開するnijito(ニジト)は、電話やメール、手紙などのやり取りを重ね、顧客の“価値観”と“お悩み”を探り、そこにマッチする“おせっかい”を焼くことでロイヤルティを醸成している。1回のやり取りで信頼関係が構築できるとは限らないため、丁寧に対話を重ね、十分な関係構築を経たうえで商品を提案、アップ/クロスセルを実施する。

 このほど、アルファコムの「M-Talk」を導入、ロイヤルカスタマーを対象にLINE窓口を開設。“友達”になった800人のうち、ほとんどが従来、電話やメールでは問い合わせがなかったサイレントカスタマーだった。

 誕生日を祝うメッセージや、配送日の連絡に加え、ライフスタイルやヘアケアに関する悩みを引き出すメッセージを投げると、約60%の顧客が返信をくれる。LINE対応している顧客は、定期配送の平均購入額が高く、購入維持率は20%多い、という結果を打ち出している。

今月のPOINTS!

システム概要
忙しい女性のためのライフケアブランド「haru」を展開するnijitoは、コミュニケーションを重ねて、ロイヤルティ醸成を図っている。より手軽にやり取りできるLINEで、購入履歴以外のデータがなかった、“ノンサポートのロイヤル顧客”の顧客体験(CX)を向上。LINEによる発信で、約60%が返信してくれる“エンゲージ・コミュニケーション”を実践中だ。現在は有人対応のみだが、今後は段階的にチャットボットへ移行する方針だ。

選び方のポイント
“LINEというチャネルを最大限に活用する”という方針で選定を進めた結果、アルファコムのチャットシステム「M-Talk」を導入。シンプルなUXと、オプションでチャットボットを導入できることも決め手となった。

使い方のポイント
応対履歴を管理するCRMとしても活用。丁寧に対話を重ねて悩みを引き出し、信頼関係を醸成する“エンゲージ・コミュニケーション”を実践するため、LINEを発信する際は、対応履歴を振り返り、1to1の会話を形成している。

取締役の光成洋二氏(左)とCS部 部長 山下未紗氏

取締役の光成洋二氏(左)とCS部 部長 山下未紗氏

図 LINEコミュニケーションによる影響値

図 LINEコミュニケーションによる影響値

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2024年01月31日 18時11分 公開

2020年05月20日 00時00分 更新

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