2019年7月号 <リーダー・オブ・ザ・イヤー 2018>

鈴木 奈津子 氏

効率化もCSも「まずはESから」
“話して任せる”リーダーが育む自律性

明治安田生命保険
「お客さまの声」統括部東京コール業務グループ
ユニットリーダー
鈴木 奈津子 氏

Profile

鈴木 奈津子 氏(すずき・なつこ)

入社後、本社および支社組織勤務を経て、2007年4月に現所属へ配属。組織の創設から現在に至るまでアウトバウンド業務に従事し、2017年4月より現職。人にやさしい、日本一のコミュニケーションセンターをめざして、自律型組織のマネジメント推進に日々取り組んでいる。

 「自律型組織の構築」は、すべての職場のリーダーにとって永遠の課題だ。明治安田生命保険の「お客さまの声」統括部、東京コール業務グループのユニットリーダーである鈴木奈津子さんは、アウトバウンド業務の運営責任者として約100名のスタッフのマネジメントに携わっている。主な業務内容は、営業職員によるフォローが困難、あるいは定期的なアクセスが不十分な顧客のサポートや高齢契約者への定期コールで、年間約67万件を架電している。

自発的なアイデアが出る風土
勤続7年超が60%占める

 アウトバウンド業務を組織化したのは約12年前。鈴木さんは当初、会社の方針もあって効率性を高める方向で着手したが、その過程で「お客様の満足度を強く意識した方が、結果的に会社のニーズにも応えることができる」(鈴木さん)と確信する。そこで実践したのが、メンバー間のブレインストーミングだ。メンバーから出たアイデアや好事例を共有することでスキル向上とともに使命感の醸成、組織へのロイヤルティ向上をもたらした。顧客からの感謝の言葉も増え、蓄積した応対ノウハウや高齢者対応のベストプラクティスは、営業職員向けの教材としても活用されるという副次効果も生んでいる。

 鈴木さんがとくにこだわったのは、「働く仲間のモチベーション向上」だ。応対品質および効率性を公正評価するスキル評価制度の導入をリード。評価上位者をコンシェルジュと認定し、個人顕彰を実施した。その結果、メンバーからは自発的アイデアが生まれる風土が出来上がりつつある。今や、在籍メンバーの60%以上が勤続7年以上という、コールセンターとしては稀有な存在といえる。

 鈴木さんは、成果を生むポイントについて、「課題を分類し、優先順位をつけて改善に取り組むこと」と強調する。リーダーが直接手を下す場面、メンバーに役割を与え主体的に行動させることが有効な場面など、総合的に判断し適切な施策をタイミングよく実施することにつながっている。

 徹底した顧客志向とリーダーシップは、災害時にも発揮された。営業職員ではフォローしきれない顧客に対し、安否確認などのお見舞いコールを実施。顧客満足度向上と営業職員の業務支援を同時に実現し、高い評価を得ている。現在は、65歳以上の高齢者に「やさしく寄り添う」能動的サービスを実施すべく、メンバーとの意見交換と会社への改善提案を行っている。