2016年12月号 <企業アプリ最前線>

企業アプリ

現在地の地図に周辺にいるタクシーをアイコンで表示。迎車時間も示す(左)。料金検索アプリ。有料道路や深夜料金なども設定可能

JapanTaxi

「全国タクシー」アプリ

アプリアイコン

地図から配車、予約、料金検索などが可能。全国47都道府県で3万台ものタクシーを呼ぶことができる。

 「タクシー会社のオペレーションを劇的に変化させる存在」──JapanTaxi取締役COOの濱 暢宏氏は“アプリ”についてこう強調する。

 同社はタクシー最大手の1社、日本交通の子会社だ。提供する配車アプリ「全国タクシー」シリーズは、10月中旬現在、累計250万ダウンロードを記録している国内配車アプリのパイオニアだ。現在、47都道府県で3万台以上のタクシーを同アプリで呼ぶことができる。

 アプリを起動すると、現在地周辺の地図が表示され、「今すぐ呼ぶ」「予約する」「料金検索」などのメニューを選択。地図上には周辺にいるタクシーがアイコンで示され、「お迎えまでX分」など迎車に要するおおよその時間まで表示される。

 支払方法は、ネット決済が可能。各種クレジットカードの他、「iPhone7」からは「Apple Pay」に対応するほか、ドコモケータイ払い、auかんたん決済、Yahoo!ウォレットも利用可能だ。

 同社の成功以降、さまざまな配車アプリが登場しているが、同社最大の強みは「エンジニアを抱えている自社開発であること」(濱取締役)。結果、アップデートなどの機能強化が早い。その機能強化には、日本交通の配車センターなど他の顧客接点のVOCも活かすことができる。

 今後は、子供の送迎に特化したキッズタクシーアプリに続いて、妊婦向けの陣痛タクシー、観光タクシーや介護向けのサポートタクシーなどの高付加価値サービスのアプリ化も考えられそうだ。

 2011年のサービス開始以降、親会社である日本交通のタクシー予約オペレーションは大きく変わった。アプリによる配車や予約の比率が高まり、配車センターの役割が変化しつつある。現段階では、有人による配車対応もかなりのウエイトを占めているが、それでもアプリが普及したことでかなり省力化できている。近い将来、「オペレータによる有人対応は、トラブルなどの人間にしかできない問題解決が主業務になる可能性が高い」(濱取締役)という。

 さらに、タクシーの料金メーターや無線といった「専用機」の機能までもタブレットに載せたアプリで対応できる時代を見据え、開発も進めている。「タクシーメーター」を2016年冬に販売開始予定。同社はまさにアプリで「タクシー革命」をもたらす存在として注目される。

<コーナー解説>
コールセンター(電話)に比肩する重要な顧客接点として有効に機能している企業アプリの事例記事です。