livepass(東京都港区、中村旭宏代表取締役CEO)は、「金融業界 お客さま対応AI実態調査」の結果を公表した。生命保険、損害保険、銀行、証券、カード決済の5業種でAI活用に携わる325名に尋ねたもので、社内業務に比べて顧客対応への適用が遅れている実態が浮かんだ。

自身の業務にAIを使っている回答者は68.3%にのぼる。これに対し、顧客対応で使っているとの回答は46.8%と半数を割り込んだ。業種別に見ると、顧客対応での活用率は銀行の57.3%が最高で、カード決済は30.9%にとどまる。5業種すべてで社内業務の数値を下回っており、差は証券の31.6ポイントが最大、生命保険の12.2ポイントが最小だった。
部門による違いも表れた。カスタマーサポート・CS部門では、自身の業務でAIを活用している割合が39.0%と、回答者が30名以上いた6部門のなかでもっとも低い。この数値が顧客対応での活用率(43.9%)を下回ったのも同部門だけだった。

用途にも偏りがある。顧客対応にAIを取り入れている152名のうち、「問い合わせ・案内」に充てている割合は6割を超えた。FAQやチャットボット、メール・案内文の作成といった情報提供の場面が中心で、申込や契約の手続きに適用する例は限られる。

人との分担を尋ねた設問では、AI単独で処理を終えている割合が業務別に見て約15%。例外的な案件や複雑な案件は社員が引き取る、AIが用意した内容を社員が最後に確かめるといった運用が多数を占めた。

将来像については、AIエージェントの内容を理解していると答えた層の約6割が「3年後には顧客対応の主な窓口をAIが担う」と見ている。半面、込み入った説明や重要な手続きをAIのみで済ませることには慎重な声も多かった。理解が進んだ層ほど先行きに前向きである一方、重要な局面でAIに委ねる範囲は引き続き論点になっているという。
同社は、導入の是非にとどまらず、対象業務や任せる範囲、人・既存システムとの連携の設計が論点になるとしている。今後はパーソナライズ動画、AIによる問い合わせ対応、Web上での接客・手続き支援といった自社の技術を組み合わせ、AIと人が協働するデジタル接客の設計と実装を支援する方針だ。5業種を比較した全25ページの詳細レポートも無料で提供している。
【調査概要】
・調査名称:金融業界 お客さま対応AI実態調査
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2026年8月28日(金)〜 8月30日(日)
・調査対象:生命保険、損害保険、銀行、証券、カード決済の5業種において、 従業員1,000人以上の企業に勤める20〜65歳の経営者・従業員のうち、 AI活用に関わる可能性のある部署所属者、または業務上AI活用に関係している者
・有効回答数:325名 (内訳:生命保険 74名、損害保険 51名、銀行 75名、証券 57名、カード決済 68名)
・調査主体:livepass株式会社
・調査実施機関:株式会社クロス・マーケティング
※本調査は個人を対象としたアンケートであり、企業単位の集計ではありません。
2026年10月08日 13時16分 公開
2026年10月08日 13時16分 更新